アーク・ロイヤル (空母・2代)
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アーク・ロイヤル(HMS Ark Royal)はイギリス海軍の航空母艦。同名の艦(アーク・ロイヤル)としては4代目になり、航空母艦としても2代目である。艦番号はR09。イギリス海軍最後の通常空母となった。
元々オーデイシャス級航空母艦の4番艦でイリジスティブル(HMS Irresistible)という名称だったが、建造途中にアーク・ロイヤルに変更された。1943年に起工されたが第二次世界大戦の終結と共に工事は中断され、進水は1950年、竣工は1955年と建造に12年も要した。 建造途中で大幅な設計変更が加えられ、建造当初より5.5度のアングルド・デッキとスチーム・カタパルトを備えていて、最初からジェット戦闘機の運用可能な設備を持っていた。
本来ならば新型空母CVA-01級の就役により退役するはずだったが、CVA-01級がキャンセルされてしまった為、アーク・ロイヤルはF-4 ファントムとバッカニアが運用できるようにアングルド・デッキの拡大や大型のスチーム・カタパルトへの換装など、大規模な改装が行われた。
しかし、小ぶりな船体で大型化する新型のジェット戦闘機を運用するには無理があり、搭載機数は30~36機程度と実用最低限度の運用しか出来なかった。
1978年の本艦の退役をもってイギリス海軍の通常空母の歴史は幕を閉じ、2007年現在イギリス海軍はインヴィンシブル級航空母艦を使用したハリアーとヘリコプターの運用にシフトしている。
当艦の退役がフォークランド紛争勃発のきっかけになったとも言われている。
[編集] 要目
- 基準排水量 33,000t
- 満載排水量 42,390t
- 全長 245m
- 全幅 34.4m
- 喫水 7.8m
- 機関 蒸気タービン4基、4軸
- 出力 152,000馬力
- 最高速度 31.5kt
- 乗員 2,450名(航空要員850名)
- 搭載機
- 戦闘機 ファントム FG.1(F-4K)
- 攻撃機 バッカニア
- 対潜哨戒機 ガネットAS4
- 早期警戒機 ガネットAEW3
- 他に少数のヘリコプター