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航空母艦 - Wikipedia

航空母艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

航空母艦(こうくうぼかん、aircraft carrier)は、水上機ではない航空機を離艦・着艦させると同時に、航空機に対する整備能力と航空燃料や武器類の補給能力を有し、海上において単独で航空戦を継続する能力を有する軍艦(艦艇)。

略称は空母(くうぼ)。現代では洋上基地(司令部)としての機能も求められている。

大日本帝国海軍の航空母艦 赤城
大日本帝国海軍の航空母艦 赤城
USS Nimitz (CVN-68)
USS Nimitz (CVN-68)
ロシアのアドミラル・クズネツォフ
ロシアのアドミラル・クズネツォフ

目次

[編集] 航空母艦の種類

その規模・用途・能力などにより以下のように区別される。

正規空母
当初より空母として設計、建造された艦。
原子力空母
空母のうち、原子力機関を装備した艦。
軽空母
時代や国により基準は異なるが相対的に小型と見なされる空母。
護衛空母
船団護衛に特化した小型の空母。通常、商船ベース。第二次世界大戦で活躍。
改造空母
他艦種の艦艇や商船など、他の艦船を改造し、空母としたもの。
対潜空母
対潜水艦戦に特化した空母。
ヘリ空母
主にヘリコプターを搭載しているものを呼ぶ。ただし、多くの全通甲板を持つ艦はハリアー等の垂直離着陸機を搭載することが可能な軽空母か、揚陸を主目的とする強襲揚陸艦であり、厳密なヘリ空母は殆ど存在しない。一般にヘリ空母は小型であり、大きさのみを基準とすると軽空母となる。海上自衛隊13500トン型護衛艦も、公式にはヘリコプター搭載護衛艦ではあるものの、全通甲板を採用しているため一般にヘリ空母と見なされている。
水上機母艦
水上機専用の母艦。空母の誕生当初は空母と水上機母艦は区別されず扱われていた。
CAMシップ
イギリスが改造した、カタパルトによる戦闘機射出能力を持つ商船。当然、戦闘機の回収能力はなく、飛行機は使い捨てである。
MACシップ
イギリスが運用した商船に飛行甲板を設置したもの。あくまで飛行機運用能力のある商船であり、軍艦ではない。
強襲揚陸艦
揚陸を主目的とする揚陸艦の一種で、揚陸及びその支援手段としてヘリコプター・垂直離着陸機の運用能力を有する。大きな積載能力と航空機運用を両立させるため一般に大型であり、垂直離着陸機を運用するワスプ級強襲揚陸艦はフランスの原子力空母シャルル・ド・ゴールに匹敵し、ヘリコプターのみを運用する艦船ですら、一部の軽空母よりも大きいといったケースもある。
航空戦艦
戦艦としての主砲を持ち、かつ主要兵装として航空機を運用するための甲板を装備したもの。各国で構想されたが、太平洋戦争中に日本海軍が伊勢型戦艦を空母に部分改装したのが唯一の実現例である。分類・機能ともに戦艦の範疇である。
航空巡洋艦
戦後旧ソビエト連邦(現ロシア)が計画、建造、就役させたキエフ級およびアドミラル・クズネツォフの公式分類。1936年締結されたボスポラス海峡ダーダネルス海峡の航空母艦通過禁止を定めたモントルー条約に対する政治的処置である。または、後半分を水上機母艦に部分改装された最上を指す。
ヘリコプター巡洋艦・駆逐艦
巡洋艦駆逐艦としての兵装を有し、ヘリコプター運用に特化した甲板・格納庫を装備したもの。イタリアフランス・旧ソ連カナダ日本が建造した。分類上、巡洋艦・駆逐艦とヘリ空母の中間であるが、他の艦船でもヘリコプターを運用していることが多くなってきたため、分類は難しくなっている。

[編集] 航空母艦の歴史

第一次世界大戦中に、木と布でできた少数の水上機を海面に吊り下ろして海面から発進させる水上機専用の母艦が生まれ、水上機母艦と呼ばれた。水上機母艦は、更に水上機と比較して能力の高い通常の航空機を運用可能であることが望まれ、空母へと発展していく(そのため初期の空母では当初のなごりとして水上機の運用も考慮していたものも存在する)。

第二次世界大戦の空母は、陸上機と同等の性能を有する全金属製の戦闘機や爆撃機を(艦船の性能によるが)50機以上運用し、その汎用性・攻撃力の高さから戦艦をしのぐ海軍の主力艦となった。

現在の空母は、排水量10万t以上で100機近い最新鋭機を運用するアメリカの原子力空母から、排水量1万t強、垂直離着陸機10機を運用するタイのチャクリ・ナルエベトまで多岐に及んでいる。

[編集] 第一次世界大戦以前

航空機が実用化された直後から、各国の海軍は航行中の艦船から航空機を発着させる努力を続けてきた。米国は1910年に巡洋艦バーミンガムに仮設した滑走台から陸上機の離艦に成功した。翌年には装甲巡洋艦ペンシルバニアの後部に着艦用甲板を仮設し、離着艦に成功した。1912年には英国でも仮設甲板からの離艦に成功した。ただし、これらの成功はいずれも仮設甲板を使用しただけでなく港内に停泊中の艦からのものであり、実用性は乏しかった。

[編集] 第一次世界大戦

第一次世界大戦では、航空機による索敵・爆撃・雷撃・空中戦が行われた。

英国は比較的高速な2,000~10,000tの商船を水上機母艦に改造し、数機編隊でドイツ本土を攻撃した。水上機を水面に吊り下ろして発進させていた(日本海軍でも、水上機母艦若宮(5,180t)をドイツ軍基地のあった中国の青島沖に派遣し、同様の方式で攻撃を行った)。

この程度の攻撃力では不十分であると感じた英国は、巨砲を有する超大型巡洋艦として建造中のフューリアス(19,000t)の砲を下ろし、前甲板と後甲板を完全に飛行甲板に改造した。世界最初の本格的な航空母艦であったが、艦の真中には巡洋艦時代の高い艦橋と煙突がそびえていた。

更に完成度の高い空母として、英国は建造中の高速商船を改設計し、航空母艦アーガス(14,450t)を建造した。この艦は艦首から艦尾までの飛行甲板上に全く邪魔物のない構造(全通甲板)で、その後の小型空母の模範となった。

一方、アメリカは給炭艦ジュピターを改造した空母ラングレイを建造した。

[編集] 第一次世界大戦後

第一次世界大戦での実績から、英・日の海軍は海上航空能力の必要性を痛感し、既存艦船の改装によらない本格的航空母艦の建造に着手した。

初めから航空母艦として設計された艦で、最初に起工された艦はイギリスのハーミーズであったが完成が遅れ、最も早く竣工(完成、1922年)したのは日本の鳳翔だった(ハーミーズの完成はその翌々年の1924年であった)。また、イギリスはハーミーズとほぼ同時に空母イーグルを完成させたが、これはアルゼンチンの注文で(英国で)建造していた戦艦を接収し、空母に再設計したものだった。

[編集] 海軍軍縮条約時代

1922年ワシントン海軍軍縮条約の結果、戦艦と巡洋戦艦の建造は全て中止され、日米は建造中の巡洋戦艦各2隻を航空母艦に改造する事になった。英国は先のフューリアスとその準姉妹艦2隻を完全な航空母艦に改造した。またフランスは建造を中止した戦艦1隻を改造し空母として完成させた。

日本海軍機の攻撃を受け炎上するアメリカ空母ヨークタウン
日本海軍機の攻撃を受け炎上するアメリカ空母ヨークタウン

ワシントン海軍軍縮条約を受けた各国の空母建造状況は、以下の通り。

その後、日米は上記改装空母の運用実績を生かした新しい空母の建造を(ワシントン条約の枠内で)続けた。

この時代の各国の空母の特徴として、格納庫の構造があげられる。アメリカは 主船体の上に1層の広い格納庫を載せ、その上に飛行甲板を設けていた。日本とイギリスは、格納庫を主船体内に取り入れた結果、面積が大きく取れなかった代わりに、2層以上の格納庫を設けていた。

[編集] 第二次世界大戦まで

ワシントン条約に続くロンドン海軍軍縮条約では航空母艦にも制限が加えられたが、1936年の日本の脱退により、条約による艦船建造の規制時代は終わりを告げた。

日本とイギリスは、条約明け直後から充分な戦闘力を有する大型の空母の建造を開始した。少し遅れてアメリカも大建造に着手した。戦力増強を急いだアメリカは、既存のヨークタウン級1隻を建造しつつ、新たな設計の空母(後のエセックス級)の開発に入った。

アークロイヤル
アークロイヤル

これらの空母は充分な攻撃力と相応の防御力を有しており、正規空母や艦隊型空母と呼ばれた。

この中でイギリスの空母は敢えて搭載機数を犠牲にして飛行甲板と格納庫を強固に防御しており、実戦でもその有効性が証明されたが、搭載機数の少なさは否めなかった。飛行甲板に装甲を施すことによる搭載機数の少なさの解決は、後に就役したアメリカのミッドウェイ級が登場するまで待たねばならなかった。

[編集] 第二次世界大戦中

戦時急造の空母として、日本では中型の艦隊型空母、イギリスでは低速小型の空母が建造された。

  • 日本 - 雲龍型3隻(戦力化は出来ず)
  • イギリス - コロッサス級10隻、マジェスティック級6隻、大戦中完成はコロッサス級の3隻のみ

また、第二次世界大戦では正規空母以外にも大量の空母が建造された。

  • 巡洋艦や水上機母艦の船体をベースにしたもの
  • 商船や客船をベースにしたもの
    • 日本 - 飛鷹型2隻(大型で正規空母と同等の航空機運用力を持ち、ミッドウェイ海戦後は主力として活躍)、他5隻
    • イギリス - 護衛空母5隻
    • アメリカ - 7種類76隻
    • イタリア - アキラ(通常の正規空母同等の性能を狙ったが未完成)

[編集] 大戦後~現在まで

建造中止になったユナイテッド・ステーツ
建造中止になったユナイテッド・ステーツ

第二次世界大戦後、空母は艦載機のジェット化と核戦略による転換期を迎える。従来のレシプロ機が比較的低速、小型で空母艦載機の条件と相反するものではなかったのに対し、ジェット機はレシプロ機に比べ高速、大型と空母艦載機の条件とは一致せず、各国の海軍の頭を悩ませることとなる。

核兵器を実用化し、また世界一の空母大国となったアメリカでは、海軍は空軍に負けじとジェット艦載機を開発するが、艦載機にはサイズなどに制限がかけられるため、空軍機と肩を並べられる艦載機は開発できない状態にあった。また、核兵器の登場により空母にも核攻撃能力が求められたが、原爆を搭載して空母から発艦可能な航空機は当初P2Vしか存在しておらず、そのP2Vも陸上機を無理に空母から発艦させるものであり、発艦は可能でも着艦は不可能と、とても実用的といえるものではなかった。

海軍は海軍長官出身のジェームズ・フォレスタル国防長官の助けにより、核搭載可能な大型艦載機A3Dの運用を前提とした排水量65,000tの大型空母ユナイテッド・ステーツの建造を計画するが、この大きさでもジェット機の運用は困難とされ、空軍の戦略爆撃機B-36との比較の結果B-36に軍配があがり、ユナイテッド・ステーツは起工から5日目に建造中止されてしまう。

結局、空母は艦載機は空軍機以下、核攻撃能力は限定的と何一つ存在意義を見出せないでいた。

空母への風当たりが強くなる中、1950年北朝鮮が突如韓国へ侵攻し朝鮮戦争が勃発する。不意を衝かれた韓国は総崩れとなり北朝鮮はさらに南へ侵攻、急遽アメリカは西太平洋に展開していたエセックス級バリー・フォージを北朝鮮半島近海に進出させることを決定する。途中バリー・フォージはイギリス海軍コロッサス級トライアンフと合流し北朝鮮近海に進出、空軍機展開までの間、戦線を維持した。その後は空軍機の展開により対空戦闘の中心は空軍機に譲るが、空母はその機動性を生かし停戦まで活躍することとなった。

朝鮮戦争での実績から、空母は即時展開可能な航空基地として有効であると認識されるようになり、空母不要論は一応の終結を見ることとなった。しかし、依然としてジェット機運用には問題が多く、着艦速度が速くても正確に着艦させることができる誘導システムと、重い機体を十分に加速させることができるパワーのあるカタパルトが必要であった。また、従来の空母は甲板上から艦載機をすべて取り除かない限り着艦のやり直しがきかなかったため、これも改善する必要があった。これらの問題は第二次大戦末期から考えられるようになり、大戦後から1950年代にかけてイギリスで蒸気カタパルト、ミラーランディングシステム、アングルド・デッキという現代空母の基礎となるものが開発され、空母の運用能力は大幅に向上した。

カタパルトやアングルド・デッキなどの採用によってジェット機運用上の欠点はほぼすべて取り払われたが、金銭面での問題があった。空母の運用にかかる費用は莫大なものとなってゆき、アメリカ海軍以外ではまともに運用することが不可能となってきていた。海軍国であったイギリスも例外ではなく、二次大戦期に建造された正規空母の後継を1960年代に計画するものの予算の面で断念、1970年代にはすべての正規空母は退役してしまった。

しかし、空母がほしかったイギリス海軍はこれにあきらめることなく、空軍で使用されていた垂直離着陸機ハリアーに目をつけハリアーの艦載型を開発、これにより満載排水量20,000トン程度の小型空母でも固定翼機を運用することが可能となり、イギリスを始め多くの国で採用されることになった。

[編集] 現在の空母

主な空母保有国の状況は、以下の通り。

  • アメリカ
第二次世界大戦後もアメリカ海軍は空母戦力を軍事上・外交上の有力な切り札と考え、建造と維持に天文学的な金額が必要な大型正規空母を造りつづけており、現在では常時12隻が就役するよう製造を行っている。最新鋭の戦闘機攻撃機対潜哨戒機早期警戒機を搭載したアメリカ空母は、1隻で中小国の空軍以上の攻撃力を持つといわれる。またハリアーを搭載可能な強襲揚陸艦も多数保有している。近い将来アメリカ海軍が保有する正規空母はすべて原子力空母となる予定。
  • イギリス
インヴィンシブル級 イラストリアス
インヴィンシブル級 イラストリアス
かつては大海軍国であったイギリスは現在、インヴィンシビル級軽空母のみを所有(しかも配備当初は巡洋艦扱い)。実績面では、フォークランド紛争において垂直離着陸機(シー・ハリアー)の活躍でアルゼンチン空軍に圧勝した(フォークランド紛争を参照)。なお、過去所有していた空母の一部は各国に売却されている。2010年代には正規空母とほぼ同サイズのクイーン・エリザベス級を2隻就役させる予定であるが、艦載機は現在のところ通常タイプではなく、垂直離着陸機 (F-35B) を搭載することとなっている。
フランスロシアブラジルは通常タイプ航空機空母を所有する努力を継続している。フランスはアメリカ以外で唯一、原子力空母シャルル・ド・ゴールを保有し、この艦の2番艦を建造する計画があったが、予算の問題があったため、上記のイギリスの新型空母のCTOL版として建造を計画している。ロシアはアメリカ空母の次に排水量の大きいアドミラル・クズネツォフを保有しているものの、ほとんど稼動していないのが現状である。ブラジルは大戦後から中古ではあるものの正規空母を保有、運用しており運用実績は他国と比べても引けをとらない。
タイイタリアスペインインドはハリアーを搭載する軽空母を1隻ずつ保有している。

空母に限らず軍艦を運用する場合、整備や訓練などを行う必要もあるため、常時1隻以上を稼動状態にするには最低3隻程度は必要であり、その意味で空母をまともに運用できているのはアメリカ、イギリスのみである。また、空母は軽空母サイズでも他の艦船に比べ運用には費用がかかるため、アメリカを除いた国では他の艦船の稼働率に影響を与えているのが現状である。

なお、現在、大型ジェット機も離着陸できるメガフロート空母というものも考え出されているが、防御力の面で問題がある為に実用化には至っていない。


[編集] 航空母艦と戦争

以下では、航空母艦が戦場の主役となって活躍し、地位を決定づけた第二次世界大戦での運用実績等について記述する。

まず、空母の建造数を比較すると各国の国力差が歴然とする。建造数を単純に考えるとアメリカ>イギリス>日本であり、それ以外の国では航空母艦を完成させることができなかった(ただし、ドイツ海軍は再軍備後の再建途中における開戦であったこと、ドイツ海軍の建造計画において多くが巨大戦艦であったことは考慮せねばならない)。又、イギリスがアメリカに多くの部分において依存していたことも考慮すべきである。

[編集] 空母の戦い

真珠湾攻撃に飛び立つ日本海軍機
真珠湾攻撃に飛び立つ日本海軍機
ミッドウェー海戦で米軍の爆撃を受ける空母・飛龍
ミッドウェー海戦で米軍の爆撃を受ける空母・飛龍
レイテ沖海戦で炎上する米空母プリンストン
レイテ沖海戦で炎上する米空母プリンストン

第二次世界大戦の海の戦いの主役は、従来の戦艦からより汎用性の高い空母に変わった。太平洋では日米海軍の空母が主戦力として活躍し、大西洋や地中海では空母を持つイギリス海軍がドイツやイタリアの艦船を攻撃した。主戦場以外の局面においても、アメリカが大量建造した護衛空母はドイツのUボートや日本の潜水艦を大量に沈め、連合軍側のシーレーンを確保した。

とくに太平洋戦争は、日本の空母6隻から発進した航空機がオアフ島真珠湾に停泊していたアメリカ太平洋艦隊の戦艦群を壊滅させた真珠湾攻撃から始まり、その後も日米の正規空母が正面から激突する海戦が度々生起した(各海戦の詳細については、リンク先を参照)。

  • 珊瑚海海戦は初の空母艦載機同士による対決となったが、その際に双方が多くの搭乗員を失った。日本軍にとって、戦術的勝利と戦略的敗北と言われている珊瑚海海戦において、搭乗員喪失の原因を錬度の低さを理由としたが、このことは搭乗員養成のシステムの差であり、後の日本海軍にとって大きな問題となった。
  • ミッドウェー海戦では4隻の空母を失った日本海軍であるが、南太平洋海戦後の状態は、アメリカが稼動空母なしの状態で、日本は翔鶴以下計5隻という絶対優位にあった。しかし、度重なった戦闘で熟練した幹部搭乗員を多数失い、艦載機搭乗員の再建のために本土へ戻らなければならないという状態だった。このような出撃のたびに熟練搭乗員が消えていく状態がその後に大きく響いていく。航空機と優秀な搭乗員がいない限り、いかに航空母艦があろうと、有効な戦力とは成り得なかった。
  • その後のマリアナ沖海戦で、日本側の衰勢が明らかになった。数の上でも劣勢であった日本海軍はさまざまな要因の上、全面的な敗北を喫し、再建途中の搭乗員はほぼ壊滅することになった。
  • レイテ沖海戦での日本空母部隊は、もはや搭乗員を確保することすら困難であり、アメリカ軍の目を「レイテ湾に突入する栗田艦隊」から逸らせるための囮の役目しか果たせなくなっていた。その後、日本空母部隊が再建されることはなく、艦載機は特攻機となり散っていった。

なお、終戦直前にはイギリスの空母も沖縄近海での作戦行動を行い、米空母同様に特攻機の攻撃を受けた。これらの海戦で、日米の空母の防御についての欠陥とイギリス空母の防御面での優秀さが明らかになった。日米の空母は1発の爆弾の命中で飛行甲板が使用不可能になるが、イギリスの空母は特攻機の命中を受けた数時間後には、飛行甲板が使用可能となっており、装甲甲板の有用性が実証された。もっとも、その代償としてイギリス空母はその代表格であるイラストリアス級正規空母でさえ艦載数45機と、日米の同排水量の空母の半分というものであった。

また、アメリカは珊瑚海海戦での空母ヨークタウンの損傷を数時間で復旧しているという実績があり、特攻機とは質量の違いもあり一概には言えないが、一般的にダメージコントロールを含めた総合的な防御力では日本軍に大きな差をつけていたと評価される。

とはいえ、空母翔鶴珊瑚海海戦で「爆弾(500ポンド)数発を受けて炎上しながら、全力で航走する駆逐艦を追い抜いていった」という逸話が残っており、戦後の日本空母の評価は不当に低い感もある。

[編集] 航空母艦の構造

[編集] 船体・飛行甲板

  • 飛行甲板:空母の最大の特徴は、艦首から艦尾までさえぎるものの無い平らな甲板。飛行甲板の面積は、着艦・離艦・エレベーターへの移動などを考えるとできるだけ広いことが重要である。空母黎明期は、多数の飛行甲板を持つ空母(改修前の赤城および加賀は三段甲板)もあったが、艦載機の大型化・高速化で広い一枚甲板に統一された。ハリアーを運用する空母や、カタパルトを持たないロシア空母は甲板の先端を上に反らせてスキージャンプ甲板としている。
  • アングルド・デッキ:艦の進行方向に対して着艦方向を傾けた飛行甲板のこと。
  • アイランド:英語で島を意味するアイランドは、艦橋・マスト類が一体となった構造物。航空機の運用だけを考えれば無いほうが良いので、極力小型化して甲板の右舷側に寄せて設置される。現在まで左舷側にアイランドを設けたのは日本の赤城と飛龍のみ。太平洋戦争までの小型空母にはアイランドを設けない艦もあった。(アーガス、龍驤など)
  • 格納庫:過去格納庫は1層式(アメリカ)、2層式(日本とイギリス)、3層式(赤城と加賀)があったが、現在は1層式が一般的。格納庫内では機体の整備ができる設備が整っている。
  • 航空燃料タンク:空母は、揮発しやすく燃えやすい航空燃料を大量に搭載している。太平洋戦争では、レキシントンと大鳳の2隻が、航空燃料の引火爆発が原因で沈没した艦として有名。現在のジェット燃料ガソリンよりも引火しにくいが、一旦火がつけば大事故になる。そこで空母の航空燃料タンクとその配管は厳重な防火・防漏・消火対策が施されている。
  • 弾薬庫:航空燃料タンクと同様、万全の防火・消火対策が施されている。航空燃料タンクと弾薬庫は、両方とも艦中央部の艦底付近(敵の攻撃による火災から最も遠い場所)に設置されている。

[編集] 装置・装備

  • 着艦誘導装置:
    シャルル・ド・ゴールのフレンネル・レンズ光学着艦装置とSAMの垂直発射管
    シャルル・ド・ゴールのフレンネル・レンズ光学着艦装置とSAM垂直発射管
    電波誘導・光学式誘導・着艦誘導員のパドルによる合図等さまざまな装備が設置されている。1950年代ごろまではLSO(着艦信号士官)が両手にパドルを持ちそれによって誘導を行っていたが、艦載機のジェット化に伴う着艦速度の高速化により、より遠くから正確に誘導する必要が出てきたため遠くからでも視認しやすいミラー・ランディング・システムが開発され、後にそれを発展させたFLOLS(フレンネル・レンズ光学着艦装置)が開発された。正規空母であれば電波誘導により自動的に着艦させることも可能。
  • 油圧式着艦制動装置:甲板上に浮かせた状態で数本張られたワイヤを、着艦する機体のフックで引っ掛けて、強力なブレーキ力を発生させる。他に非常時に使う、機体全体を受け止めるバリケードもある。
  • 蒸気式カタパルト:英国が開発した方式。空母の主機関の蒸気をピストンに送り込んで、航空機を加速する方式。アングルドデッキと並んで現代空母に不可欠の技術。しかし開発には高度な技術が必要であり、現在でもアメリカ等、一部の国のみしかもっていない。ロシアのアドミラル・クズネツォフはカタパルトを装備していないが、これは、よく言われているような「ソ連が蒸気カタパルトを開発できなかったため」などでは無く、ただ単に、本艦への搭載は見送られた、というだけの話である。クズネツォフ2隻に続いて1988年に起工された「原子力空母」ウリヤノフスクは、当初からカタパルトを搭載する予定になっていたが、同艦はソ連崩壊により建造中止となり、ロシア海軍初のカタパルト装備原子力空母は、幻と消えた(ちなみに、ソ連の蒸気カタパルトの試作品は、既に1985年頃には完成していた)。
  • ブライドル・レトリーバー:カタパルト延長線上の飛行甲板前縁斜め下方に角のように突き出した構造。初期のカタパルトはシャトルと艦載機の接続に、射出と同時に分離して前方へ投棄されるブライドル・ワイヤーと呼ばれる鋼索を使用していた。当初は発艦ごとの使い捨てだったこのワイヤーを回収するための装備である。現在のカタパルトはシャトルと艦載機を直接接続するので、新型・近代化改修を受けた最近の空母には見られないことが多い。
  • エレベーター:下層にある格納庫甲板から最上甲板である飛行甲板に艦載機を上げるための装置。第二次大戦期の多くの空母ではエレベーターは艦の中心線上にあったが、強度と航空機運用に問題があったため現在の大型空母は飛行甲板の両外側に舷側エレベーターを設置している。小型の軽空母では舷側にエレベーターを設けると悪天候時に海水が格納庫に浸入する恐れがあるため、艦の中心線上にエレベーターを設けている。なおイギリスでは「リフト」と呼ぶ。

[編集] 各国の航空母艦

以下では2007年現在に於ける、各国の空母保有状況を述べる。

[編集] 日本

[編集] 海上自衛隊

空母保有は他国への航空兵力の展開が可能になるため、専守防衛の原則に背くという理由により、保有していない。以下に挙げる艦については、その船型から、「空母ではないか?」との意見がある。

詳細は、海上自衛隊の航空母艦建造構想も参照されたし。

[編集] 旧日本海軍

(すべて退役または沈没)

[編集] アメリカ合衆国

アメリカ海軍航空母艦一覧アメリカ海軍護衛空母一覧も参照されたし。

[編集] イギリス

イギリス海軍航空母艦一覧イギリス海軍護衛空母一覧も参照されたし。

[編集] ドイツ

  • グラーフ・ツェッペリン(未完成・大戦中)
  • ペーター・シュトラッサー(未完成・大戦中)
  • ヴェーザー(巡洋艦改装軽空母・未完成・大戦中)

[編集] フランス

[編集] ソビエト連邦(ロシア連邦)

[編集] オーストラリア

  • メルボルン 元英国マジェスティック級(退役)
  • シドニー 元英国マジェスティック級(退役)

[編集] カナダ

  • ボナバンチュール 元英国マジェスティック級(退役)
  • マグニフィセント 元英国マジェスティック級(退役)

[編集] イタリア

[編集] スペイン

[編集] オランダ

[編集] インド

[編集] ブラジル

[編集] アルゼンチン

[編集] タイ

[編集] 関連項目

Wikimedia Commons
ウィキメディア・コモンズに、航空母艦に関連するカテゴリがあります。

[編集] 参考文献

  • 世界空母物語 福井静夫 1993年3月 光人社
  • 世界の空母 ハンドブック 世界の艦船別冊 海人社
  • 世界の艦船 1991年4月号 特集 アメリカの空母 海人社
  • 世界の艦船 1998年3月号 特集 アメリカ空母の全容 海人社

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