イグルー
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イグルー(イヌクティトゥット語表記:Iglu、英語表記:Igloo)とは、イヌイット達が雪のブロックや氷で作る簡易住居である。
英語でスノーハウス:Snowhouse(雪の家)とも呼ばれる。
カナダ北端マッケンジー河口からラブラドル半島にかけて使用される。
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[編集] 概要
イヌイットは普段皮製テントに住み、魚や獣を求めて移動して生活する。1年の内のほとんどを、雪と氷に閉ざされたツンドラ地帯で生活するイヌイット達の知恵で考えられた住居である。雪や氷はふんだんにあるため、どこでも造ることができ、移動しながらの生活が容易に可能となる。
また、積雪期登山の際、傾斜の少ない堅雪地でテントのかわりにも使用される。風に強いのが特徴だが、湿度が高く、長期居住には適さない為、イグルーでの居住は一時的なもので、放棄された他人のイグルーを使用することもある。

[編集] イグルーの造り方
雪の塊をブロック状に切り出して、下からドーム状に積み上げていく。雪のブロックは、互い違いに積み上げることで力を分散させる。
ドーム型の形状は、力学的に安定している形状で、強風にも強い。
[編集] イグルーの内部構造
外の寒気や風を遮断するため、内部は意外と暖かい。内部構造は、主屋と控えの間・通路・食用肉の貯蔵庫・衣類や道具の倉庫などに分かれている。
主屋の床にはアザラシの毛皮などを敷き、火を使って煮炊きなどもできる。窓や換気用の小穴もある。