エフゲニー・イワノフ
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エフゲニー・イワノフ(Yevgeny Ivanov, - 1994年1月17日)は、1950年代にロンドンのソ連大使館に勤務したソ連海軍武官。スパイ活動に従事していた。
彼は整骨療法医のスティーヴン・ウォードと友人関係を持つが、MI5はイワノフを潜在的な離反者と見なして接触し、ウォードに対して彼をイギリス側に寝返るよう説得するのを依頼した。
クリスティーン・キーラーがジョン・プロヒューモ(イギリス陸軍大臣)にクリーヴデンのパーティで出会った時、イワノフも同席していた。キーラーはイワノフとの関係を継続しながら、プロヒューモとも関係を持つに至った。当時東西冷戦はキューバ危機に関連して緊張の度合いを高めていた。ウォードとイワノフはキーラーに、アメリカの核ミサイルがいつ西ドイツに配備されるかプロヒューモに質問するよう話したと言われている。
ソ連スパイの情婦と関係を持ったイギリスの陸軍大臣に関するスキャンダル、プロヒューモ事件が公になった時、多くの変化が生じることとなった。個人的には、イワノフは妻と離婚することとなった。一方モスクワに戻った彼に対してクレムリンはほとんど関心を示さなかった。家庭と職務の両方から拒絶されたイワノフは飲酒におぼれるようになった。
およそ30年後の1993年にイワノフはモスクワでキーラーと再会し夕食を共にする。彼はその後、プロヒューモから軍事機密を得ようとして彼女を利用したことに関して謝罪の手紙を送っている。