エーゲ海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エーゲ海(えーげかい;英 Aegean Sea,希 Αιγαίο,土 Ege Denizi)は地中海の東部、西はギリシャ半島、東はアナトリア半島に面した入り江状の海域。北東ではダーダネルス海峡とボスポラス海峡を経由してマルマラ海、さらには黒海へと繋がっている。エーゲ海は大小合わせておよそ 2,500 の島々が浮かぶ多島海である。周辺はエーゲ文明の発祥地。
古代には、クレタ島のミノス文明とペロポネソス半島のミケーネ文明が誕生した。さらに時代を下ると、アテナイやスパルタに代表される多くの都市国家により形成された古代ギリシャ文明が生じた。他にもペルシャ、ローマ帝国、東ローマ帝国、ヴェネツィア、そしてオスマン帝国がエーゲ海周辺に国家を形成した。ヨーロッパとアジアを結ぶ中継地として中世以降も繁栄した。
エーゲ海の島々はいくつかの諸島に分類される。北エーゲ諸島、ユービア島、スポラデス諸島、キクラデス諸島、サロニカ諸島、ドデカネス諸島それにクレタ島である。これらの島々は良港を備えているが、古代、中世にはエーゲ海の航海は決して安全なものではなかった。火山島が多く、大理石や鉄の産地でもある。クレタ島のような比較的面積の大きな島には肥沃な耕地が広がるが、多くの島は農業に適していない。大半はギリシャに属しているが、ボズジャアダ(ボズジャ島、Bozcaada)とギョクチェアダ(ギョクチェ島、Gökçeada)についてはトルコ領となっている。