オーラバトラー戦記
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オーラバトラー戦記(オーラバトラーせんき)は1986年~1992年野生時代に発表された富野由悠季の小説作品。主に角川ノベルズ版について解説する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
- 簡潔に述べると聖戦士ダンバインの焼き直し的作品。大きく分けて1~4巻のダンバイン前史、6~7巻の地上編、8巻以降であり、特にダンバイン前史はテレビ版では語られていない部分である。
- 初期の巻では前作のリーンの翼を受け継ぎハードな性と残酷な描写が存在するが次第に薄れていく。(初期の段階でもリーンの翼に比べればソフトになっている。)長編であるため著者自身が設定を間違えている箇所がある。
[編集] 登場人物について
- 登場人物について聖戦士ダンバインと同じ名称の人物が数多く存在するが、詳細な設定は異なる。中には登場しない人物・名称は数多くあるが、その多くは近い設定で別の人物として登場している。ナの国については名称国柄の設定は存在するが関係する人物、機械等は一切登場しない。登場人物の数が尋常な数でないのも特徴。
[編集] 聖戦士ダンバインにも登場する人物
- マーベル・フローズン、ショット・ウェポン、ドレイク・ルフト、リムル・ルフト、ルーザ・ルフト、バーン・バニングス、ガラリア・ニャムヒー、チャム・ファウ、トロゥ、ニー・ギブン、キーン・キッス、ジャコバ・アオン
[編集] 地上界とバイストンウェルの時間差
- 物語初期にショットはジョクとの会話より10年前にバイストン・ウェル地上界では3年前に落ちていると述べているが、物語中盤で主人公が地上に戻った時にバイストン・ウェルで3年以上経っている間に地上では1年と少ししか経っていない、と言う逆の描写もある。
[編集] ストーリー
- 主人公は聖戦士ダンバインの主人公ショウ・ザマではなく、城毅(通称ジョグ)。彼が米国に留学中に大学の後輩で半分ストーカー気味の田村美井奈と共にバイクで二人乗りをしていた際に事故にあった事でバイストンウェルに召還されてしまう。当初はジョグのみ召還されたものと思われていた。召還後はドレイクに従い、戦友バーン、ガラリアと共にガロウ・ラン殲滅に励む。
- 4巻から3年後である5巻以降は聖戦士ダンバインと同じく、ドレイクの行動に疑問を持ち離反・敵対する。5巻最後でかつての戦友でもある、バーン、ガラリアとの戦闘中にオーラロードに乗り6巻で地上にでる。
- 8巻以降は聖戦士ダンバインとは異なり地上ではなくバイストンウェル内で話は進む。
[編集] 主な登場人物
- 城毅(通称ジョグ)
- 物語の主人公。地上人。大学2年の夏休みを利用して飛行機のライセンスを取得するため渡米していた。現地で田村と共にバイク事故に合いバイストンウェルに落ちる。
- 田村美井奈(通称ミイナ、ミィ)
- 地上人。性的本能のままに行動するタイプ。米国旅行にかこつけて留学中のジョグの追いかけをする。ジョグと肉体関係を築いた後、バイク事故にあう。共にバイストンウェルに落ちていた事が2巻で判明する。ニーの領地にいたが、ガロウ・ランに誘拐され仲間となる。殺害されるまで記憶喪失であったが、本質は変わらずガロウ・ラン相手に性交渉を求めたりいていた。最後は記憶が戻り現実と夢の区別がつかないまま、ギィ・グッガと戦っていたジョグを救うため加勢した。しかし返り討ちに合い死亡。
- ショット・ウェポン
- アメリカ人で地上人。物語序盤より10年前からバイストンウェルに来ており、オーラマシンを開発する。TV版とは異なり最後までドレイクの元にいた。
- マーベル・フローズン
- アメリカ人で地上人。2巻よりトレンと共に召還される。後にニーと結婚。
- トレン・アスベア
- フランス人で地上人。一度ガロウランに誘拐されたが、脱出後はショットと共にオーラマシンの開発に励む。オーラバッテリー等を発案した。
- ドレイク・ルフト
- 小説ではアの国の王。先妻アリシアの死後はルーザと再婚する。
- アリサ・ルフト
- ドレイクと先妻アリシアの子。ガロウ・ランに誘拐された際に母アリシアを失う。救出以後ジョクとは内縁関係になる。物語終盤近くでは父ドレイクを殺害しようとするが失敗。その後バーンの登場により命は助けられたが左遷された。
- アリシア・ルフト
- ドレイクの先妻。ガロウ・ランに殺害された。
- ルーザ・ウル(後にルフト)
- ウルの国の女王。王の死後、ガロウ・ランから国を守るためドレイクと政略結婚をする。
- リムル・ウル(後にルフト)
- ルーザの娘。TV版とは異なりドレイクの養子。物語終盤ではTVと同じく母ルーザによって斧で顔面を打たれ死亡した。
- バーン・バニングス
- 4巻までは共にジョグと戦った。彼よりも力を持つコモン人が数多く存在したため、TV版とは異なりジョグとは戦わず、浄化時に老化する。地上界から帰還した際に地上の機械を持って帰る。(ただしガラリアがアリスランド手にいれたライトがバーンが手に入れた事になっている。)
- ガラリア・ニャムヒー
- ドレイク軍の女騎士。TV版とは異なりジョグに対して好意を強く持っているが、王女であるアリサの存在から抑えていた。地上界から帰還する前に致命傷受け7巻で一度死亡するが、8巻ではなぜか生存しておりオーラロードにより体を分解・拡散させられて2度死ぬ。
- ステラ
- バーンの情婦。店を持たせてもらっている。物語終盤近くではバーンを追う。
- チャム・ファウ
- 5巻でクスタンガの丘に来たミィゼナーに巻き込まれた事でジョグ達と行動する。
- トロゥ
- ステラの店の常連客のフェラリオ。その名称はステラがバーンを追った時に暗号として使われた。
- ニー・ギブン
- キーン・キッス
- TV版とは異なり、ニーの数多くいる家臣の一人という立場。
- メトー・ライアン
- キーンと仲のよいクルー。
- ギィ・グッガ
- ガロウ・ランの長。ガロウ・ランには珍しく美しい顔立ちをしているが性格は残虐そのもの。
- ヘレナァ
- カットグラを操縦したガロウ・ラン。
- カンドワ-ガロウ・ラン。
- ミュラン-ガロウ・ラン。
- 中臣杏耶子
- ジャコバ・アオン
- ザナド・ボジョン
- トモヨ・アッシュ
- アイリンツー
- フォイゾン・ゴウ
- ピネガン・ハンム
- パットフット・ハンム
- エレ・ハンム
- ミハン・カーム
- ソトロウ
- キムッチ
[編集] オーラマシン
物語初期はオーラボム・ドーメしか存在していないが当時としては圧倒的戦力を持っている。2巻よりカットグラIが完成。5巻以降はドレイク、ショット、バーンが技術を流出させたため数多くのオーラマシンが登場する。 詳しくはオーラマシン一覧参照のこと。
[編集] 掲載巻
巻 | 掲載号 | 題 | カバー絵・口絵・本文イラスト |
1巻 | 1986年10月号 | アの国の恋 | 出渕裕 |
2巻 | 1987年6月号 | 戦士・美井奈(みいな) | 出渕裕 |
3巻 | 1988年5月号~6月号 | ガロウ・ラン・サイン | 出渕裕 |
4巻 | 1988年11月号 | ギィ撃攘(げきじょう) | 加藤洋之&後藤啓介 |
5巻 | 1989年7月号 | 離反 | 加藤洋之&後藤啓介 |
6巻 | 1989年11月号) | 軟着陸 | 加藤洋之&後藤啓介 |
7巻 | 1990年10月号~11月号 | 東京上空 | 加藤洋之&後藤啓介 |
8巻 | 1991年7月号 | マシン増殖 | 加藤洋之&後藤啓介 |
9巻 | 1991年11月号 | オーラ壊乱 | 加藤洋之&後藤啓介 |
10巻 | 1992年6月号 | 重層の刻(とき) | 加藤洋之&後藤啓介 |
11巻 | 1992年9月号 | 完結編 ハイパー・ホリゾン | 加藤洋之&後藤啓介 |