出渕裕
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出渕 裕 (いづぶち ゆたかまたはいずぶち ゆたか、男性、1958年12月8日 - )は日本の漫画家、イラストレーター、アニメーターなど幅広く活躍するクリエイター。東京都生まれ。
ガンダムシリーズや『機動警察パトレイバー』などの多くの作品でメカニックデザインを手がけ、2002年、テレビアニメ『ラーゼフォン』で初監督をつとめる。
アニメや特撮などの空想世界のみならず、川田工業株式会社の二足歩行ロボット、HRP-2の外形デザイン・イメージも担当して話題になった。同ロボットの Promet (プロメテ) という愛称の名付け親でもある。
彼のデザインするメカには、複数の並んだ穴が空けられることが多い。 (基本は上段3個、下段2個の5つ穴) そのため、それらの穴のことを通称出渕穴(ブチアナ)と呼ぶ。
- ● ● ●←ブチアナ例
- ● ●
[編集] 作品リスト
- 漫画
- 『トラブル専科』(いづぶちゆたか名義)(ザ・モーションコミック 1983年5月30日号)(読み切り)
- 『はっぴいえんどなんてくるわけない』(いづぶちゆたか名義)(ザ・モーションコミック 1984年1月20日号、1984年6月1日号)
- 『ぬいぐるみ殺人事件 第9回』(いづぶちゆたか名義)
- 『機神幻想ルーンマスカー』(月刊ドラゴンマガジン連載,未完)コミックス1巻 総集編(ムック)1
- イラスト
- 『ロードス島戦記』
- ヒロインのエルフ・ディードリットの耳を極端に長く描き、特定年齢層の日本人に「エルフと言えば長い耳」のイメージを定着させた。
- 『機甲界ガリアン』
- 『未来放浪ガルディーン』
- 『オーラバトラー戦記』(カドカワノベルス版)
- 『ソルジャー・クイーンシリーズ』
- メカニックデザイン
- 『宇宙戦艦ヤマトIII』
- 『宇宙戦艦ヤマト 完結編』
- 『戦闘メカ ザブングル』
- シリーズ当初より参加。前半の主役メカ・ザブングルと主人公達の「家」となるランドシップ・アイアンギアーは大河原邦男デザインで、後半の主役メカ・ウォーカーギャリアは複数のスタッフによるアイデアを湖川友謙が最終的に纏め上げたもの。出渕はそれ以外のウォーカーマシン等のサブメカや小物デザインを担当し、メカニカルな見地での世界観統一に貢献した。
- ゼントラーディ軍の倍力服(パワードスーツ)ヌージャデル・ガーのデザインを担当。基本的にはテレビシリーズでスタジオぬえの宮武一貴がデザインした同名メカのリファインだが、顔に当たる部分にゼントラーディのワンマン戦闘ポッド・リガードやグラージと同様のモノアイカメラを配する等、より統一感のあるデザインへとシフトさせている。
- 『聖戦士ダンバイン』
- シリーズ序盤以降のメカデザインを担当。本作は企画スタート時より宮武一貴が監督の富野由悠季と共にビジュアル的な世界観を構築し、主役メカのダンバインやその僚機となるダーナ・オシー、前半の敵主力機ドラムロといったオーラバトラーや主人公達が乗り組むオーラシップ・ゼラーナ等のデザインを手がけていたが、宮武がスタジオぬえの業務的事情(詳細は『超時空世紀オーガス』を参照の事)から同作を降板する事となったため、出渕はその後の作業を引き継ぐ形で参加する事となった。
- 宮武と出渕は直接の引継ぎを行った訳ではないので、当初宮武が富野監督の意向に沿って確立しようとした「甲虫の様な意匠を、極めて工業的・産業的な観点から作り上げたロボットのデザイン」というコンセプトは必ずしも引き継がれてはいない。ビランビーは当初「マサラグ」の名称が与えられ宮武の手でラフデザインまで進んでいたので、そのラフを元に出渕がクリンナップを行った。なお後半の主役メカ・ビルバインについては湖川やスポンサーのバンダイ他のスタッフによるアイデアを最終的に湖川が纏めたもので、出渕は大きく関わっていない。
- 『機甲界ガリアン』
- 主役メカ・ガリアンとその強化改造型・アサルトガリアンのデザインは大河原邦男。それ以外のメカを出渕が一手に引き受け、ケンタウロス型の人馬兵や折り畳み式の翼による飛行能力を持った飛甲兵、水中戦に特化した水機兵(デザインモチーフはローマ神話に登場する海神ネプチューン)等、重厚かつ壮大なファンタジーSFの世界にぴったりのデザインを提供。これによって、「伝説の鉄巨人」という設定ながらロボット然としたデザインのガリアンが特殊な存在であるという説得力を出す事にも一役買った。
- 『機甲界ガリアン 鉄の紋章』
- 本編に登場する2体のロボット、巨神兵と邪神兵のデザインを担当。巨神兵はテレビシリーズ版ガリアンのシルエットと最低限のディテールは残しつつもロボット然とした印象を極力取り除き、テレビシリーズ以上にハードなヒロイックファンタジー(見方によってはダークファンタジーともいえる)となった物語に最適といえるデザインに仕立て上げた。邪神兵は本作用の完全オリジナルデザインで、ヒロイックでマッシヴな巨神兵とは対を成す禍々しさを持ったものとなっている。
- 『機動戦士ガンダムΖΖ』(メカニカルベースデザイン)
- 中盤までの敵モビルスーツ、ガルスJやズサ等のラフデザインを担当。クリンナップは伸堂舎(岡本英郎、明貴美加)が担当している。ただしバウのみはラフからフィニッシュまで出渕が担当した。ハンマ・ハンマとゲゼについては永野案を伸堂舎で纏め上げている。
- 元々は全てのメカデザインを永野護が担当する予定だったがスポンサーであるバンダイの意向によって永野が降板したため、急遽主役メカ・ダブルゼータガンダムのデザイン原案が小林誠に依頼され(こちらもクリンナップは伸堂舎)、敵メカのデザイン原案が出渕に発注された。
- なお中盤以降のデザインはバンダイ主導のデザインコンペ(その趣旨は展開が遅れていたプラモデルのラインナップを強化するため、既に発売されているプラモデルにパーツを追加する事で作品に新メカとして登場させるというものだった)で採用されたモデルグラフィックス(小田雅弘、カトキハジメ、あさのまさひこ他)の原案を明貴や佐山善則がクリンナップし、後半は明貴がメインでデザインを担当した。
- モビルスーツのデザインを担当。デザイン作業はコンペ形式で行われ、富野監督の意向を出渕やヴィシャルデザイン、鈴木雅久、大畑晃一といったデザイナーがそれぞれラフデザインとして提出し、それを富野監督が取捨の上最終的に出渕が纏めるという形だった。なおリ・ガズィについては佐山善則がクリンナップし、フィニッシュまで持っていっている。艦船のデザインはガイナックスが担当した。
- 『機動警察パトレイバー』
- 『ガサラキ』
- 『闘将ダイモス』
- キャラクターデザイン(特撮)
- 初の特撮デザイン作品。アニメーションのセンスを取り入れたシャープなデザインを多数輩出。それまでの戦隊シリーズの敵キャラにあった「野暮ったさ」「アナクロさ」を払拭し特撮キャラクターデザインに新風を呼んだ。
- 『超電子バイオマン』
- 『電撃戦隊チェンジマン』
- 『超新星フラッシュマン』
- 『仮面ライダーアギト』
- 『キューティーハニー』(2004年・映画)
- キャラクターリファインデザイン
- (原作・石ノ森章太郎 出渕はスカルマン・GRO等デザインの他、シリーズ構成・脚本等、全面に携わっている)
- 服飾デザイン
- 『新機動戦記ガンダムW』(衣装デザイン協力)
- 他にも、本作では『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』において出渕がデザインした拳銃がそのまま流用されている。
- 『JUNK -RECORD OF THE LAST HERO-』(JUNKスーツデザイン)
- 出渕設定ではモノアイは2つであったが、作者麻宮騎亜の取り違いにより、作中では1つになっている。
- 『仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』(衣装デザイン)
- 『ローレライ』(パウラ水密服デザイン)
- デザインワークス
- デザインワークスとして、MSだけでなく戦艦、軍服や銃器などのデザインにも関わった。
- 『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』(設定原案)
- 『交響詩篇エウレカセブン』
- 監督作品
- 『ラーゼフォン』
- その他
- 1998年の航空自衛隊戦技競技会の特別塗装として、第204飛行隊のF-15J戦闘機に、出渕がデザインしたワルキューレとグリフォンが描かれた。
- アニメディア誌上での美樹本晴彦との対談でショタコンである事を告白。
- 耽美雑誌JUNE誌上で自分のデザインした悪役キャラを紹介するコラムを連載していた事もある。
- 漫画家とり・みきやゆうきまさみらと親交があり、彼らの漫画の登場人物として出演した事もある。また彼ら同様原田知世の熱烈なファンだった。
- 大のドイツ軍フリークとしても知られ、ナチス軍装についての造詣も深い。フリッツヘルメットやパンツァーファウストなどをモビルスーツのデザインに採用し、「ジオン軍=ドイツ」のイメージを確立した。本人も「業界ナチ担当」(mixiの自己紹介文より)と自嘲しており、中学時代には学生服の上からベルトを巻いてナチ将校のコスプレごっこをしていたという逸話も。
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