カンガルー (音楽)
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カンガルーは、かつて日本のフュージョン音楽界で活動していたバンドのひとつ。1983年にデビューして1986年に解散した。その間4枚のアルバムをリリースしている。
エレクトーン奏者出身の女性キーボードふたりをフィーチャリングした軽快でリリカルな音楽性は、日本のシャカタクとも呼ばれた。
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[編集] 活動史
1982年にヤマハのアマチュア・バンド・コンテストEastWestに出場。強豪が揃うシニア部門で最優秀グランプリを獲得したほか、キーボードの新垣郁子と柵木ひとみがベストキーボード賞を受賞した(ちなみにこのとき、HOTTENTOTSというバンドで出た久保田利伸がベストボーカリスト賞)。1983年にビクター音楽産業(現・ビクターエンタテインメント)からアルバム「STEPPIN'」でデビュー。既にフュージョンブームは沈滞化していたものの、当時美GM(美しい音で、BGMとして聞き流すにはもったいない)といわれた音楽性でブームを巻き起こしたシャカタクの同年に敢行された日本公演ツアーの前座をつとめて知名度を得た。カンガルーとシャカタクはともにキーボードが主導する音楽性であったり、この共演もあって、以後良くも悪くも和製シャカタクと言われるようになる。
翌1984年は、グループに桑沢エミ、福原みどりのふたりのヴォーカル&コーラスを加入させ、ますますシャカタク化していった。この年は、ビデオ映像と同期させた当時としては先進的なライブを行うなどして話題を振りまいたり、前年に柵木ひとみがアイドルの松本伊代のバックバンドの一員だったのがきっかけで、双方がレコード会社が一緒と言うことも手伝って、彼女のコンサートツアーにカンガルーとして支援を行うなど活躍の場をひろげていった。
1985年、ふたりいたヴォーカル&コーラスのうち一人が脱退し、福原みどり一人になり、彼女を主としたヴォーカル・フュージョン的な音楽性へ変化を遂げる。1986年には、それまでコーラス曲やヴォーカル曲が英語詞だったものを、シングル「A NIGHT IN NEW YORK」から日本語詞に切り替えて、その後発表された同作品名のアルバムはインスト曲以外は全編日本語詞となった。このことはファンの間で賛否両論を呼ぶが、先述のシングル曲はCM曲としてテレビでひんぱんに流れていたせいもあって世間に知られる良い機会ともなった。しかし、同年に解散。以後、メンバーはソロで各々活動している(なお、グループの中心的存在だった柵木ひとみは解散後結婚し、「小堀ひとみ」と名を換えている)。
[編集] メンバー
- 松田俊郎(ベース)
- 日高恵一(ギター)
- 長谷川正志(ドラム)
- 柵木ひとみ(エレクトリック・ピアノ、キーボード)
- 新垣郁子(シンセサイザー)
- 福原みどり(ヴォーカル)
[編集] ディスコグラフィ
[編集] アルバム
- 「STEPPIN'」(1983年)
- 「NICE! NICE!! NICE!!」(1984年)
- 「DISK」(1985年)
- 「A NIGHT IN NEW YORK」(1986年)
[編集] シングル
- 「A NIGHT IN NEW YORK」(1986年)
- 「TWO OF US」(1986年)