キンタル
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キンタル(quintal)は、かつて使われていた質量の単位である。国によって定義が異なるが、ほとんどの場合、基本となる単位(ポンド、キログラム)の100倍として定義されている。centner(独:ツェントネル、英:セントナー)とも言う。また一部の国地域ではキンタルの4分の1に値する単位をアロバとして用いられている。
どちらも、ラテン語で100を意味するcentenariusを語源とする。centenariusがquintalになるまでには、複雑な経過を辿っている。まず後期ラテン語でcentenarium pondus、後期ギリシャ語でkentenarion、アラビア語でqintar、中世ラテン語でquintaleと変化し、最後に古フランス語でquintalとなった。centnerはcentenariusをそのままドイツ語化したものである。
アラブ社会では、現在でもキンタル(qintar)が使われている。キンタルという単位は、アラブの貿易商によってヨーロッパに再輸入されたものである。
フランスでは、100livres(フランスポンド)と定義されており、それは約48.95 kgである。メートル法施行後に100キログラムに改められた。スペインでは100libras(スペインポンド)で、約46 kgであった。ポルトガルでは128librasで、約58.75 kgであった。
英語圏ではquintalもcentnerもハンドレッドウェイトの別名とされている。ハンドレッドウェイトは、当初は100ポンド(正確に45.359 237 kg)で、後にイギリスでは112ポンド(約 50.84 kg)とされた。
メートルキンタル(metric quintal)は、100キログラムと定義されている。すなわち10分の1トンである。この単位はSI単位ではないが、アメリカでは穀物の計量に用いられている。また、ヤード・ポンド法のキンタルに近い50キログラムをメートルキンタルとしている国(ドイツ、アラブ諸国など)もある。