クラダリング
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クラダリング(英語:Claddagh Ring)とは、アイルランドの伝統的工芸品の指輪である。
[編集] 概要
ヨーロッパの各王家の紋章をもとに製作されたのが始まりだと言われている。
伝説では、アイルランド西部の漁村クラダ(現ゴールウェイ市)のリチャード・ジョイスという金細工師が、ウィリアム3世によって救出されたときにその感謝の気持ちを込めて作成、献上したという伝説から、クラダリングの名がついた。ただし、これはあくまで伝説に過ぎない。
中心にハート、そのハートを両手で囲み、ハートに王冠が被さるというデザインを基本とする。ハートは「愛」、両手は「友情」、王冠は「忠誠」を表すとされる。ハートや王冠の部分が宝石で形作られることもある。
指輪の着ける向きや指によって込められた意味が異なり、右手の薬指に逆さまにつけると「恋人募集中」を意味し、左手の薬指に正方向につけると、「恋人がいる」、あるいは「既婚者」であることをあらわす。
なお、クラダリングはアイルランド政府が各国で商標登録を行っており、アイルランド製のみがクラダリングを名乗ることを許されている。アイルランドの政府直轄機関が全てのリングの検品を行っており、リングが本物である事を示す印(ホールマーク)を打刻している。このホールマークがあるかどうかで、リングの真偽が判明するという。
[編集] 知名度
アイルランドを訪れたヴィクトリア女王が身につけたことが切っ掛けとなり、世界中にその名が広まることになる。アイルランド国内ではポピュラーなアクセサリーであり、結婚指輪や婚約指輪として良く選ばれるほどである。
アメリカ合衆国など、アイルランド系移民が多い国でも知名度は高く、映画やドラマの小道具としてしばしば登場するなど、かなり身近なアクセサリーである。
日本では、SMAPの木村拓哉が身につけていることから一部で話題になったが、まだマイナーである。だが、その可愛らしいデザインから若い女性の間では徐々に人気が出てきている。