クールス
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クールス（COOLS）は日本のロックバンド（アメリカンロックンロール）。現在も活動中。1975年のバンド結成（前身のバイクチームの結成は更に前年）からすでに30年以上も続いている、日本ロック界の最重鎮バンド。その影響を受けたロックミュージシャンは数多い。
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[編集] 結成
東京原宿において1974年12月、舘ひろしをリーダーに、岩城滉一をサブリーダーに結成されたモーターサイクルチーム（暴走族）が原点。「暴走族」とはいっても、日本のいわゆる暴走族のように特攻服や竹やりマフラーではなく、アメリカの「ヘルズ・エンジェルス」を手本とした、おしゃれとかっこよさを追求したチームであった。その事は当時リーダーの舘ひろしが語った「どうすればかっこよくなれるか、それだけしか考えていなかった。」という言葉にも表れている（とはいえ、不良集団だった事には変わりない）。結成に際して「このチームはリーダー（舘ひろし）の独裁により運営される」という血判状を作成したという。今でこそクールスといえばハーレーダビッドソンというイメージがあるが、当時は国産車も多かった（事実、舘ひろしはカワサキのZIに乗っていた）。チーム結成当時の人数は21人で、全員リーゼント・黒の革ジャン・黒のジーンズまたはブルージーンズ・黒のオートバイで統一され、矢沢永吉率いる「キャロル」の解散コンサートでは親衛隊をつとめ、一躍脚光を浴びる。（キャロルよりクールスを観に来たという客がいたほど、当時は芸能人ではなかったにもかかわらず、注目されていた）。そのため、「クールスはキャロルの弟分バンド」と見る人もいるが、決してそうではない。メンバー個々の交友や接触は確かにあったが、両者は対等な関係であり、また当時はあくまでロックバンドとそれを支持するバイクチームの関係であった。よって「クールスはキャロルの弟分バンド」「矢沢永吉は舘ひろしの兄貴分」という意見は全くの間違いである。またその後のクールスの音楽性もキャロルとは違うものである。
[編集] 略歴
- 第1期 クールス
- キャロル解散後の1975年9月、チームの中から選抜された7名とバンドから参加の大久保喜市の計8名で、アメリカンロックンロールバンド「クールス（COOLS）」としてデビュー。その際、岩城滉一は参加しておらず、そのまま俳優となった。
- キャロルが、ビートルズを手本とした8ビートのブリティッシュロックンロールだとすればクールスは、4ビートのアメリカンロックンロールであり、舘が手本に考えていたのはアメリカンロックンロールバンドのシャ・ナ・ナ（en:Sha Na Na）であった（それは舘・水口・村山の三人ボーカルにも表れている）。バンド結成当時のメンバーは、リーダー舘ひろし（ボーカル）がチーム内から選抜した（とはいっても、バイクチーム内で音楽・楽器の経験者を選んだのであって、決して精鋭を選抜したわけではない。精鋭ならば、岩城滉一が選ばれているはずである）。舘以下、水口晴幸（ボーカル）、村山一海（ボーカル）、ジェームス藤木（リードギター）、飯田和男（サイドギター）、大久保喜市（ベースギター）、佐藤秀光（ドラム）、梅村光男（ギター）の8名。但し梅村はすぐに脱退した。キングレコードから「黒のロックンロール」「ロックンロール・エンジェルス」「東京直撃」「ハローグッドバイ」の4枚のアルバムを出す。また「暴力教室」「男組～少年刑務所」などの映画にも出演した（但し、暴力教室にはメンバー全員出演しているが男組には後述の理由で、水口とジェームスは出演を拒否している）。その後1977年4月リーダーの舘ひろしが脱退。後に大久保喜市が出版した「ストレンジブルー」によると、映画の主演はあくまでも舘ひろしであり、その他のメンバーは脇役という状況に、舘に対し他のメンバーから反感が出はじめ、また映画やマスコミに出たい舘に対して、純粋に音楽だけをやりたいメンバーとでズレが出てきた事が舘脱退の原因らしい（音楽性云々より、メンバー対リーダーの個人的な確執という意味でキャロル解散時の矢沢永吉と似ている）。舘ひろしは脱退後キングレコードに残り、「舘ひろしとセクシーダイナマイツ」を結成。その後ソロとなり、そのまま俳優となる。ここでクールスは事実上一旦解散したと言われる。実際に解散コンサートも行われ、それを録音したのが前記の「ハローグッドバイ」である。その為、現在のクールスとは別だという説もあるが、舘ひろし以外のメンバーで続けられたのも事実である。舘以外のメンバーはこの時点ではすべて解散に反対し、残留してバンド活動を続けたのだから、やはり解散ではなく舘の脱退が正解であると思われる。クールス（COOLS）という名称もキングレコードが権利を持っていた為、改称せざるを得なかった。
- 第2期 クールス・ロカビリークラブ
- その後残りのメンバーでトリオレコードに移籍、「クールス・ロカビリークラブ」を結成。村山と水口のツインボーカルで人気を得る（この頃がバンドとしての絶頂期であった）。「クールス・ロカビリークラブ」「BE A GOOD BOY」「THE COOL」「デッドヒート日比谷」「ニューヨークシティNY」と5枚のアルバムを出した後、1979年12月水口晴幸が脱退した（水口の話だと、舘が辞めた時点で自分も辞めたかったがタイミングを逃し、ずるずる続けてしまったらしい。またポリスターに移籍する事への不満もあったらしい）。
- 残ったメンバーは更に、ポリスターレコードに移籍。「BIG DEAL」「THE HIT」を発表。その後ベースの大久保喜市が脱退（大久保の脱退理由は、長年からのマンネリ感の打破らしい）。
- 第3期 クールスRC
- 1981年10月、それまでマネージャーだった横山剣（現クレイジーケンバンド）と、同じくスタッフだった荻野知明（現クレイジーケンバンドのマネージャー）がそれぞれボーカルとベースで加入。村山一海とともにツインボーカルが復活。バンド名も「クールスRC」とした。名曲と言われる「シンデレラ・リバティー」を出したのもこの頃である。アルバム「チェンジリングス」「クールスオールディズスペシャル」「ロックンロールジャンキー」「ロックンロールバイブル」「KINGS OF ROCK'NROLL」を出した後、1983年、横山剣が脱退（横山の加入により音楽性が向上したが、レコード会社から「音楽性より、元の革ジャン・リーゼントの不良ロックに戻せ」と言われた事が脱退の原因）。ここで一旦活動を停止（解散ではない）。横山在籍時の「クールスオールディズスペシャル」がクールスのアルバムの中で最も評価が高い。
- 第4期 オリジナルクールス90'
- その後しばらく休眠状態だったが、1990年、元メンバーの大久保が呼びかけ、村山一海、佐藤秀光、ジェームス藤木、大久保喜市、濱野和男（飯田和男）のオリジナルメンバーが再結集し「オリジナルクールス90'」を結成する（この時、舘ひろし、水口晴幸も誘われたが両名とも断ったらしい）。アルバム「originalCools 90'」と同名のライブ盤の2枚を発表。しかしすぐに再び大久保、濱野が脱退。
- 第5期 ザ・クールス（THE COOLS）
- 1992年、サポートメンバーだった後藤直樹、元シャネルズの山崎廣明が、それぞれギターとベースで参加し、「ザ・クールス」を結成。アルバム「GoodFellows」「Dyed-in-the-COOL」の2枚を発表。現在山崎は脱退したが、クールスは30年の時を経てなお、村山、佐藤、ジェームスを中心に活動中である（最近は濱野もライブに参加しているので事実上の現メンバーといえる）。
- 2000年には村山、佐藤、ジェームスに横山、濱野、荻野が参加し、一時的にではあるが「COOLS SPECIAL」としてリユニオンメンバーによる再結成ツアーも実現している。
- 現在 クールス（THE COOLSのままで表示される場合もある）
- 30年以上の長い歴史で若干あいまいになった点もあるが、現在のクールスの正式メンバーはあくまでも村山一海、佐藤秀光、ジェームス藤木の3人であり、ライブでは濱野和男、後藤直樹、和田ジョージ（ギター）の3人が参加しているようである。以前のような大会場でのライブは無くなったが、現在もライブハウスや地方の会場で積極的に活動中である。
[編集] 総評
- 当初は、そのファッションや成り立ちから不良性を売り物にしたバンドで、音楽評論家等からは敬遠されていたようだが、横山剣が加入した頃から、音楽的にも高い評価を受けるようになってきた。またオリジナルメンバーの一人であるジェームス藤木の音楽センスは極めて高く、数多くのミュージシャンにも楽曲を提供している。
- 結成からすでに30年以上経っているが、その間メンバーの脱加入、バンド名の変更等あったとはいえ、音楽性やファッション等一貫して変わらず活動を続けており、より高く評価されるべきバンドのひとつである。また元メンバーにも舘ひろし（俳優）、岩城滉一（俳優）、横山剣（ミュージシャン）等、著名人を輩出している事も評価されてしかるべきである。キャロルが再評価されている今、クールスの再評価も期待される。
[編集] 歴代メンバー
- 第1期 「クールス」（※は、結成後すぐに脱退）
- 舘ひろし（ボーカル・リーダー）、水口晴幸（ボーカル）、村山一海（ボーカル）、ジェームス藤木（リードギター）、佐藤秀光（ドラム）、大久保喜市（べースギター）、飯田和男（サイドギター）、※梅村光男（ギター）
- 第2期 「クールス・ロカビリークラブ」
- 水口晴幸（ボーカル）、村山一海（ボーカル）、ジェームス藤木（リードギター）、佐藤秀光（ドラム）、大久保喜市（べースギター）、飯田和男（サイドギター）
- ※水口脱退以降、横山・荻野加入までを第3期という説もある。
- 第3期 「クールスRC」
- 村山一海（ボーカル）、横山剣（ボーカル）、ジェームス藤木（リードギター）、佐藤秀光（ドラム）、飯田和男（サイドギター）、荻野知明（ベースギター）
- 第4期 「オリジナルクールス90'」
- 村山一海（ボーカル）・ジェームス藤木（リードギター）、佐藤秀光（ドラム）、大久保喜市（べースギター）、濱野和男（飯田和男）（サイドギター）
- 第5期 「ザ・クールス」
- 村山一海（ボーカル）、ジェームス藤木（リードギター）、佐藤秀光（ドラム）、山崎廣明（べースギター）、後藤直樹（サイドギター）
- 現在 「クールス」（※は、サポートメンバー）
- 村山一海（ボーカル）、ジェームス藤木（リードギター）、佐藤秀光（ドラム）、※後藤直樹、※濱野和男、※和田ジョージ
[編集] 代表曲
「紫のハイウェー」、「シンデレラ」、「Mrハーレーダビッドソン」、「あの娘はステディガール」、「恋のゴールデンリング」、「ひびわれたグラス」、「追憶」、「クライマックス」、「Tバードクルージング」、「ラストダンスはチャチャで」、「シンデレラリバティー」、「薔薇の刺青」
