音楽評論家
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音楽評論家(おんがくひょうろんか)とは、音楽について評論する者のこと。クラシック音楽とポピュラー音楽とでは、通常、別々の音楽評論家がカバーし、更にクラシックの中でも現代音楽やオペラ・吹奏楽などと専門が分かれている。
アルバム等のレビューや音楽評論の執筆、音楽番組への出演、講演会への出席等を行う。場合によっては、CDやコンサートの企画に参加し、音楽プロデューサーのような役目を果たすこともある。CDのライナーノートなども書く。
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[編集] クラシック音楽の場合
演奏家としての音楽教育を受けずに、大学(もしくは大学院)の楽理科や西洋音楽史専攻で音楽理論や音楽史を学んだ者がほとんどである。これらは、評論家である以前に音楽学者、歴史学者(音楽史)であるともいえる。また、学生コーラスやオーケストラで活躍した者が紆余曲折を経て評論家になるケース、アマチュア団体の指導者から転身するケース、音楽雑誌の編集者・記者が転身するケース、作曲家が兼ねるケースもある。ごくまれに、演奏家が評論を兼ねる場合や、引退した演奏家が転身する場合、もしくは演奏家としての教育は受けたものの、評論に転じるという者もいる。日本国内では、演奏技能を持たない者の評論に対する偏見も少なからず存在するが、欧米では批評と表現が分離することが原則であり、国内において音楽評論という分野がまだ未熟であることを示している。
[編集] ポピュラー音楽の場合
クラシックとは対照的に、ポピュラー音楽を対象とする評論家の多くは音楽を専門的に学んでいない場合がほとんどである。したがって実態としては、「音楽」評論家ではなく「アーティスト・ミュージシャンの」評論家といってもいい。すなわち、音楽そのものではなく、むしろミュージシャンの音楽に対する姿勢を評論しているのである。とはいえ、音楽雑誌や芸能雑誌の記者を務めた者、アマチュアでバンド経験のある者、または音楽系の専門学校を出た者もおり、まれに大学などで音楽論を学んでいる場合もある。一度プロになった演奏家が評論に転ずることおよび演奏家が評論家をかねることはクラシック以上に稀である。
[編集] 日本の音楽評論家
- 間章
- 浅岡弘和
- 市川哲史
- 伊藤政則
- 今井智子
- 植草甚一
- 宇野功芳
- 大倉文夫
- 大橋巨泉
- 大貫憲章
- 金子建志
- 黒田恭一
- 酒井康
- 渋谷陽一
- 竹中労
- 近田春夫
- 東郷かおる子
- 遠山一行
- 富澤一誠
- 中村とうよう
- 能地祐子
- 萩原健太
- 福田一郎
- 藤村貴彦
- 堀内敬三
- 松村雄策
- 油井正一
- 湯川れい子
- 吉田秀和
[編集] 海外の音楽評論家
- クラウス・ウムバッハ
- ヨアヒム・カイザー
- ハンス・ハインツ・シュトゥッケンシュミット
- エドゥアルト・ハンスリック