グスターヴ・ホルストの楽曲一覧
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グスターヴ・ホルストの作品一覧
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[編集] 作品一覧
作品番号順(作品番号のないものは末尾にまとめる)
- 五重奏曲 イ短調 作品3 (Quintet in A minor, Op.3 )
- アヴェ・マリア 作品9b (Ave Maria, Op.9b )
- 無伴奏合唱曲。
- バレエ組曲 変ホ長調 作品10 (Suite de Ballet in E-flat, Op.10 )
- 4曲からなる管弦楽曲。
- 木管五重奏曲 変イ長調 作品14 (Wind Quintet in A-flat, Op.14 )
- 『神秘的なトランペット吹き』 作品18 (The Mystic Trumpeter, Op.18)
- 『夜の歌』 作品19の1 (A Song of The Night, Op.19 No.1 )
- バイオリンと管弦楽のための作品。
- チェロと管弦楽の為の『祈り』 作品19の2 (Invocation for cello and orchestra, Op.19 No.2 )
- 『西部の歌』 作品21の1 (Songs of the West, Op.21 No.1 )
- サマセット狂詩曲 作品21の2 (A Somerset Rhapsody, Op.21 No.2 )
- 2つの無言歌 作品22 (Two Songs without words, Op.22 )
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- 「田舎の歌」 (Country Song )
- 「行進の歌」 (Marching Song )
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- 歌劇『サーヴィトリ』 作品25 (Sāvitri, Op.25 )
- 「リグ・ヴェーダ」からの合唱讃歌 作品26 (Choral hymns from the Rig Veda, Op.26 )
- 合唱と管弦楽の為の作品。
- 吹奏楽のための第一組曲 変ホ長調 作品28の1 (First Suite for military band in E-flat, Op.28a )
- 吹奏楽のための第二組曲 ヘ長調 作品28の2 (Second Suite for military band in F, Op.28b )
- 『ベニ・モラ』(東洋的組曲) 作品29の1 (Beni Mora (Oriental Suite), Op.29 No.1 )
- セント・ポール組曲 作品29の2 (St.Paul's Suite, Op.29 No.2 )
- The Cloud Messenger, Op.30
- ディオニソス讃歌 作品31の2 (Hymn to Dionysus, Op.31 No.2)
- 女声合唱と管弦楽の為の作品。
- 大管弦楽のための組曲『惑星』 作品32 (The Planets, Op.32 )
- 日本組曲 作品33 (Japanese Suite, Op.33 )
- 6つの合唱民謡 作品36b (Six Choral Folk Songs, Op.36b)
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- 鍛冶屋の歌 (The Song of the Blacksmith )
- I sowed the seeds of love
- I love my love
- 「マタイ、マルコ、ルカとヨハネ」 (Matthew, Mark, Luke and John )
- There was a tree
- 「スワンシー・タウン」 (Swansea Town )
- 無伴奏合唱曲。1、3、6 は、『吹奏楽のための第二組曲』でも用いられている民謡。
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- イエスの賛歌 作品37 (Hymn of Jesus, Op.37 )
- 合唱と管弦楽の為の作品。
- 死への頌歌 作品38 (Ode to Death, Op.38 )
- 合唱と管弦楽の為の作品。
- 歌劇『どこまでも馬鹿な男』 作品39 (The Perfect Fool, Op.39 )
- フーガ風序曲 作品40の1 (A Fugal Overture, Op.40 No.1 )
- フーガ風協奏曲 作品40の2 (A Fugal Concerto, Op.40 No.2 )
- フルート、オーボエ、弦楽合奏のための作品。
- 合唱交響曲(第1番) 作品41(First choral symphony, Op.41 )
- ソプラノ、合唱、オルガンと管弦楽の為の作品。
- 7つのパートソング 作品44 (Seven Part-Songs, Op.44 )
- 『エグドン・ヒース』 作品47 (Egdon Heath, Op.47 )
- 12の歌曲 作品48 (Twelve Songs, Op.48 )
- ハンバート・ウルフ(Humbert Wolfe) の詩による歌曲。
- 2本のバイオリンと管弦楽の為の二重協奏曲 作品49 (Double Concerto for two violins and small orchestra, Op.49 )
- 歌劇『放浪学者』 作品50 (The Wandering Scholar, Op.50 )
- 1幕の歌劇。
- 合唱幻想曲 作品51 (A Choral Fantasia, Op.51 )
- ソプラノ、合唱、オルガンと管弦楽の為の作品
- 前奏曲とスケルツォ『ハマースミス』 作品52 (Hammersmith, Prelude and Scherzo, Op.52 )
- 吹奏楽のために書かれたが、作曲者によって1931年に管弦楽にも編曲され、そちらが先に初演された。
- 2人の戦士のための挽歌
- ブルック・グリーン組曲 (Brook Green Suite )
- 3曲よりなる弦楽合奏曲。
- ムーアサイド組曲 (A Mooreside Suite )
- 1928年の作で、英国式ブラスバンドのコンクールの為に書かれた。弦楽合奏版もある。
- フルート、オーボエとヴィオラのための三重奏曲(テルツェット) (Terzetto for flute,oboe and viola )
- 抒情的断章 (Lyric movement )
- ヴィオラと小管弦楽のための作品。
- In the Bleak Midwinter
- クリスティーナ・ロセッティの詩による讃美歌
- スケルツォ (Scherzo )
- 未完の交響曲より改編された管弦楽曲。作曲者の死後に初演。
[編集] 概説
[編集] 歌劇
[編集] どこまでも馬鹿な男
『どこまでも馬鹿な男』 または 『大馬鹿者』 (The Perfect Fool )は、今では殆ど上演されることのない1幕の歌劇であるが、この中のバレエ音楽は管弦楽作品として耳にすることができる。また、序曲は『フーガ風序曲』として独立した作品番号を与えられている。
[編集] 管弦楽曲
[編集] エグドン・ヒース
『エグドン・ヒース』 (Egdon Heath ) は、イギリスの作家 トーマス・ハーディ(Thomas Hardy、1840 - 1928) の小説、『帰郷』(The Return of the Native)の舞台を描いた管弦楽作品である。副題には「ハーディを賛えて」とある。
[編集] サマセット狂詩曲
サマセット狂詩曲 (A Somerset Rhapsody) は、イギリスはサマセット地方の旋律を素材に用いた狂詩曲であり、1906年に民謡の収集家、セシル・シャープ(Cecil Sharp) の提案で作曲された。セシル・シャープの採譜した中から、Sheep Shearing Song、The True Love's Farewell、「南部ドイツ人」(High Germany)、「カッコウ」(The Cuckoo)の4旋律が用いられている。
[編集] 日本組曲
『日本組曲』 (Japanese Suite) は、六楽章から成るバレエ音楽で、全編を通して日本民謡の旋律により構成されている。日本人舞踏家伊藤道郎の依頼により、『惑星』の作業を中断して書かれた。旋律は伊藤道郎の口からホルストが採譜したとされ、「ねんねんころりよおころりよ」の歌詞で知られる子守唄(これはしばし「江戸子守唄」などと呼ばれる)などが使われている。1916年にロンドンでこの曲の伊藤道郎による舞踊公演が行われた。
日本組曲の構成は以下の通りである。
- 前奏曲―漁師の踊り (Prelude - Song of the Fisherman )
- 儀式の踊り (Ceremonial Dance )
- 操り人形の踊り (Dance of the Marionette )
- 間奏曲―漁師の踊り (Interlude - Song of the Fisherman )
- 桜の木の下の踊り (Dance Under the Cherry Tree )
- 終曲―狼たちの踊り (Finale - Dance of the Wolves )
[編集] ベニ・モラ
『ベニ・モラ』 (Beni Mora ) は、「東洋的」な曲調の組曲で、3つの楽章から成る。
- 第一の踊り (First Dance )
- 第二の踊り (Second Dance )
- 終曲「ウレド・ナイルの街で」 (Finale: In the Street of Ouled Nails )
[編集] 弦楽合奏曲
[編集] セント・ポール組曲
セント・ポール組曲 (St.Paul's Suite ) は、ブルック・グリーン組曲とともに、ホルストが音楽教師として務めていたセント・ポール女学校のために書かれた作品である。弦楽合奏のための組曲で、4つの楽章から成る。
- ジーグ (Jig )
- オスティナート (Ostinato )
- 間奏曲 (Intermezzo )
- 終曲(ダーガソン) (Finale (The Dargason) )
この「終曲」は、第二組曲の第四曲『ダーガソンによる幻想曲』の再編曲版である。
[編集] 吹奏楽曲
[編集] 吹奏楽のための組曲
『吹奏楽のための第一組曲』 (First Suite for military band ) または 『組曲 第1番』(Suite No.1 ) は、純粋にホルストの創作による、3楽章から成る組曲であり、1909年に作曲された。
一方、『吹奏楽のための第二組曲』(Second Suite for military band )または 『組曲 第2番』(Suite No.2 )は、 イギリスの民謡の主題を用いた4楽章の組曲で、1911年の作である。
[編集] 第一組曲
- シャコンヌ (Chaconne )
- 間奏曲 (Intermezzo )
- 行進曲 (March )
[編集] 第二組曲
- 行進曲 (March )
- 「モリス・ダンス」(Morris Dance )、 「スワンシー・タウン 」(Swansea Town )、 「クラウディー・バンクス」(Claudy Banks )
- 無言歌 (Song without words )
- I'll Love my Love
- 鍛冶屋の歌 (Song of the blacksmith )
- 「ダーガソン」による幻想曲 (Fantasy on "Dargason" )
この、第二組曲に用いられた民謡の幾つかはまた、作曲者自身の手によって合唱のための編曲もなされている。