グラミン銀行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グラミン銀行(ベンガル語:গ্রামীণ ব্যাংক、英語:Grameen Bank)はバングラデシュにある銀行。『貧者の銀行』として知られている。ムハマド・ユヌスが1983年に創設した。マイクロクレジットと呼ばれる貧困層を対象にした低金利の無担保融資を行っている。2006年ムハマド・ユヌスと共にノーベル平和賞を受賞した。受賞理由は「底辺からの経済的および社会的発展の創造に対する努力」である。
本部はバングラデシュの首都ダッカ。2006年5月現在、2,226の支店を持ち、バングラデシュにある村の86%以上にあたる、72,096の村でサービスを行っている。667万人の借り主のうち97%が女性である。
[編集] 融資システム
グラミン銀行では、顧客に対し担保を求めない代わりに、顧客5人による互助グループがつくられ、それぞれが他の4人の返済に関して責任を負う必要がある。このようなシステムによる貸付金の返済率は98.9%と、通常の銀行と比べても遜色のないレベルを保っている。得られた利益の全額が災害時のための基金にまわされる。
[編集] 問題点
個別の顧客に対し担保を求めないものの、他者の債務を連帯保証するという条件付融資であり、無担保融資とは異なる。他人の債務を連帯保証することで融資を受けるというシステムは、日本においては公序良俗に反するものとして違法性が認定される可能性が高い。また、低利を謳うものの実際の金利は年率20%近くでありサラ金並みの高利となっている点も注視すべきものであろう(ただし、グラミン銀行以外の貧困層への貸し手は金利年率100%、200%とも言われる高利貸ししかおらず、それと比較すればグラミン銀行の金利は相対的に極めて低金利といえる)。女性のみに絞った融資である点も、結果として人身売買につながるおそれがあると懸念する声もある。
[編集] リンク
カテゴリ: バングラデシュ | 銀行 | ノーベル平和賞受賞者 | 経済関連のスタブ項目