グレネードランチャー
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グレネードランチャー(Grenade launcher)、及び、グレネードガン(Grenade Gun)は、日本語では擲弾発射器(てきだんはっしゃき)、または、擲弾筒(てきだんとう)、擲弾銃(てきだんじゅう)と呼ばれ、手榴弾または同程度の威力の擲弾を発射する武器である(但し、擲弾の『擲』は、常用外の漢字である為、てき弾と表記されることもある。)。
grenadeは擲弾または手榴弾、launcherは発射装置を意味する英語。
対戦車擲弾は成形炸薬弾(対戦車榴弾)頭を持ち、同じく擲弾発射器から放たれる。また、大型の対戦車榴弾を発射するパンツァーファウストやRPG-7のような兵器(Antitank grenade launcher)もあるが、これらは通常、対戦車用の無反動砲やロケット・ランチャーに分類される。
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[編集] 擲弾発射器の種類
- ライフルグレネード(Rifle grenade=小銃擲弾)
- 小銃の銃口に装着し、空包を用いその発射ガスの圧力を利用して、手榴弾または専用の擲弾を発射するためのアダプタ。正確にはグレネードランチャーではなく小銃用のオプションパーツであり、擲弾装着中はライフルの発砲ができない欠点がある。第一次大戦から本格的に採用された。一部のタイプでは銃身の途中から発射ガスを誘導して発射する、銃身の下に装着するものあり、これは実包での発射が可能である。
- グレネードランチャー(Grenade launcher=擲弾発射器・擲弾筒)
- 信号拳銃から発展したドイツのカンプピストルや、米軍のM79のような中折れ式ショットガンを大口径にしたような物、または日本の八九式重擲弾筒のような、小型の迫撃砲のような物もある。軍用以外にも、治安部隊向けにゴム弾やガス弾を発射する物もある。リボルバー拳銃と同様の機構を持ち、連射が可能な物もこれに含まれる。構造がシンプルで扱いやすいが、これを装備していると同時に近距離での自衛用の火器が使えないため、アンダーバレル・グレネードランチャーが開発された。
- アンダーバレル・グレネードランチャー(Underbarrel grenade launcher)
- その名のとおり小銃の銃身下部に装着し、専用の擲弾を発射する(アドオン方式)。このため、擲弾を装弾したままライフルの発砲が可能である。擲弾自体に発射のための装薬が込められており、発砲後空薬莢を排出する。ベトナム戦争の途中から本格的に採用された。
- オートマチックグレネードランチャー(Automatic grenade launcher=自動擲弾発射器)
- Mk19 グレネードランチャーのように、ベルトリンクされた擲弾をガス圧により連射できるようにした物。ベトナム戦争時に試作され、その後本格的に配備された。また、自動擲弾銃、グレネードマシンガンともいう。
[編集] 主なグレネードランチャー
[編集] 擲弾発射器
- M79(アメリカ)
- M203(アメリカ)
- GP-25/GP-30(ソ連)
- GM-94(ロシア)
- RG-6(ロシア)
[編集] 自動擲弾発射器
- Mk 19(アメリカ)
- 96式40mm自動てき弾銃(日本)
- AGS-17(ソ連)
- AGS-30(ロシア)
[編集] 対戦車擲弾発射器
この種の火器は威力や標的、発射原理など通常の対人用擲弾筒と異なり、一部の正式な形式名はともかく、普段はグレネードランチャーとは呼ばれない。
- パンツァーファウスト(ドイツ)
- RPG-2(ソ連)
- RPG-7(ソ連)
- RPG-16(ソ連)
- RPG-29(ソ連)
- パンツァーファウスト3(ドイツ)