迫撃砲
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迫撃砲(はくげきほう)は、歩兵が携行できる支援兵器。曲射砲の一種。大型のものには牽引式、自走式もある。 「45度以上の角度(曲射弾道)で砲弾を発射する、前装式の火砲」と定義される事が多いが、近年では、ミサイルや、誘導装置の付いた砲弾、地雷等を発射する物もあり、また後装式の曲射弾道砲も登場しており、厳密な定義は難しい。
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[編集] 起源
火薬を用い弾丸を発射するものは、14世紀から20世紀まで使用された「臼砲」である。石材や木材に円形の穴を穿ち、そこから弾丸を発射するもので、砲身内にライフリングは無く、主に攻城等に使われた。日本が発明した、「木砲」は、木材を砲身に使い、粘土の弾丸を発射するもので、基本的原理は今と同じである。英語名もTrench Mortar(トレンチ・モーター)すなわち、塹壕用臼砲という意味になっている。
[編集] 塹壕戦用として発達
近代的な迫撃砲は、第一次世界大戦の塹壕戦で有効な曲射砲として使われたのが始まりである。従来の火砲による攻撃は、複雑に構築された塹壕をはじめとする防御陣地には効果が薄かった。それを打開すべく用いられたのである。垂直に近い角度で砲弾が落下するので、相手の塹壕に「放り込む」事が可能であった。ドイツのM1912やミーネンヴェルファー、イギリスのストークス砲が代表的である。余談だが、生産が追いつかなかった為、前線では、空き缶に火薬を詰めて水道管を砲身にして発射する、といった事も行われていた。塹壕戦における迫撃砲の効果は大きかったようである。
迫撃砲は射程は短く、弾速も遅いが、高い弾道を描き着弾する。一般的には砲身内側にライフリングがない滑腔砲で、安定のために砲弾の後尾には翼がつけられている。発射方法としては、現代の多くの火砲と違って砲口装填式であり、職人の打ち上げ花火のような発射方法である。自衛隊の120mm迫撃砲のように射程距離の長いものにはライフリングを施したものがあり、後装式の迫撃砲もある。また、イスラエル軍のメルカバ戦車は、対歩兵用として後装式の迫撃砲を標準装備している。
現在よく使用されている、あるいはかつて使われていた迫撃砲の口径は主なものは60mm、81mm、107mm、120mm。またロシアやイスラエルなどには240mmなどの大口径のものもあるが、保守整備が難しく、運搬も困難なためあまり使われていない。
[編集] その他
大日本帝国陸軍は第二次世界大戦当時、迫撃砲として八九式重擲弾筒(全長610mm・本体重量4.7kg・口径50mm)を装備していた。この発射筒に支えとなる金属支柱(とこれに沿った引き金)を一本だけ持つ火器は、湾曲した板(台座)が取り付けられた支柱を地面に当てて立て、目分量で角度を調整、擲弾を発射する。この際、膝や足で地面にある台座を踏んでずれないように固定した。また必要に応じて水平発射も可能であった。この兵器については当該項目を参照。
[編集] 関連項目
- 大砲
- グレネードランチャー
- 迫撃弾
- リヤカー(日本では運搬にこれが使われているケースがほとんど。)
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