コリン
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コリン (Choline, Cholin) は、循環器系と脳の機能、および細胞膜の構成と補修に不可欠な栄養素である。
[編集] 歴史
アンドレアス・ストレッカーにより1862年に発見され、1866年に化学合成された。1998年にはアメリカ医学研究所の食品栄養委員会によって必須栄養素とされ、適正摂取量が定められた。
[編集] 化学的性質
コリンは以下の化学式で表される第四級飽和アミンである。
- (CH3)3N+CH2CH2OH X−
ここでX−は塩化物イオン(塩化コリン参照)・水酸化物イオン・酒石酸イオンといった対イオンである。
[編集] 生理学的性質
コリンおよびその代謝物質は、生理学上の三つの重要な役割を演じる。細胞膜の構造の保全と細胞シグナリングの役割、アセチルコリンへ合成されることによる神経伝達物質としての役割、S-アデノシルメチオニンを合成する代謝経路に関与する代謝物質トリメチルグリシン(ベタイン)を通じたメチル基の主な原料としての役割である。
コリンが肉体によって代謝されるとき、魚のにおいがする合成物トリメチルアミンが生成されることがある。したがって、サプリメントとして1日10ないし16グラムとるなど、大量のコリンを摂取した場合、その人は魚のような体臭に苦しむかもしれない。
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