サイクルウェア
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サイクルウェアとは、サイクリングを行なうときに着用するよう設計された衣服などのこと。
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[編集] ヘルメット
ヘルメットは頭部を保護する目的で着用するものであり、サイクルウェアの中では最も重要なものである。スポーツ車に乗車する場合や、幼児を乗せるときなどには、特に強く着用が望まれる。プラスチックなどで作られた保安帽と、スポーツ用の専用設計のものとがあるが、安全性などを考えると後者の着用が望ましい。
[編集] ロードレーサー、MTB-XC用
スポーツ車に乗る場合に多く用いられるタイプで、発泡スチロール状のインナーシェルと、アウターシェルからなる。インナーシェルが圧縮される事で衝撃を吸収するため、保安帽に比べ圧倒的に安全である。多くのものには、ベンチレーションと呼ばれる通気口や、吸湿性の高いパッドなどが採用されており、快適性も年々改善されている。
[編集] MTB-DH用
MTB競技の一種であるダウンヒルには、頭部の安全性をより高めるためにフルフェイスヘルメットを用いる。これはオートバイのものと比べると軽量である。
[編集] 幼児用、子供用
幼児を自転車の座席にのせた場合、自転車の安定性は非常に悪くなる。これにより転倒も増え、投げ出された幼児が頭部を損傷する事故も多発していた。そこで近年普及してきたのが幼児用のヘルメットである。これはほぼスポーツ車用ヘルメットを簡素化した構造を持っており、幼児の保護に効果的であるため、着用が望まれる。
[編集] BMX用
ハードシェルで耳まで覆うタイプが主流。
[編集] グローブ
グローブは手のひら全体を保護するために着用される。同時に防寒具としての使用が可能である。通常の手袋型グローブに加えて、夏用の指切りグローブがある。どちらも手のひらを保護するという意味で本質的な違いはないが、指切りグローブの場合は指先が露出している分だけケガをしやすくなる。軽視されがちだが、転倒時に思わず手を着いてしまい手のひら全体を擦り剥く危険があるため、出来るだけ着用した方が良い。また、内蔵パッド(多く衝撃吸収体で出来ている)が、乗車中に手のひらとハンドルの間に生じる摩擦や手首に伝わる振動を吸収軽減するなど、長時間快適に乗車するには欠かせないものである。
[編集] サングラス
サングラスは太陽光を遮ると同時に、大気中に漂うゴミや虫などから目を守る役割を果たす。スポーツ車に乗り、ある程度高速で走行する際は着用した方が良い。レンズの種類は豊富で、晴天用、くもり用、黄、赤、透明など目的によって最適なレンズを選ぶのが安全走行のポイント。メガネを用いてもある程度の保護が可能であるが、上下のスキマから異物が飛び込んでくる可能性がある。サングラス、メガネを問わず、割れた際の危険性に関しても十分注意すべきである。
[編集] レーサージャージ
レーサージャージとは、通気性が良く軽い素材で作られた自転車用上半身ジャージである。自転車ロードレースに参加する選手のために開発されたためか、通気性と軽さが重視されている。通常のジャージに比べると背中側の丈が長くなっている事が多いが、これはロードレーサー等のスポーツ車では前屈みの姿勢を取ることが多いためである。ツール・ド・フランスなどの自転車レースに参加するプロチームでは、前後面にチーム名、及び全スポンサーの名前を刻む。背中にはポケットが付いており、補給食(走りながら齧れるロールパンなど 中にはチョコクリームなどが注入されている)やスペアボトルなどを詰める。個人では財布一つとパンク修理キットだけ押し込み、他には何も持たずに走る人も。
[編集] レーサーパンツ
レーサーパンツとは、レーサージャージと同じく通気性が良く軽い素材で作られた自転車用下半身ジャージである。通称はレーパン。サドルと接触する部分にはパッドが縫い付けられており、長時間の走行がし易くなっている。生地は肌に密着するナイロンスパンデックスが主流でありレースなどに用いられる。肌に密着していると、ペダルを回す際にパンツと自転車が接触することによる摩擦が生じないというメリットがある。しかし体の線がはっきり出ることに羞恥心や抵抗を感じる人も多く、趣味乗り(ファンライド)用の肌に密着しないタイプや上から他のパンツをはくことを前提にしたインナータイプのものも増えている。
レーサーパンツには腰ではくタイツのものと肩にスリーブをひっかけるビブショーツの2種類がある。ビブショーツは競技指向が強く、腹部に圧迫を感じない設計なので、ほとんどのプロのロードレーサーはビブショーツを着用する。
[編集] シューズ
“街乗り”の際はスニーカーやスポーツシューズでもよいが、各種スポーツで本腰を入れて競技する時にはそれぞれの種目に合った靴を履いてするのが望ましいように、専用の靴もある。
[編集] ロードレーサー用
材質は皮や合成皮革、靴底は木や強化プラスチック。底には専用ペダルと噛み合わせるためのシュープレートを付ける。この靴の機能はペダルを踏む事に特化されており、踏み込む力を直接ペダルに伝える為に靴底は絶対に撓まず、また踵もないので歩行は困難である。各種手引書でも「シュープレートの溝を潰す原因になるのでレーサーシューズのまま歩き回らない事」と警告がされている(プロは歩くときサンダルに履き替える)。
[編集] マウンテンバイク用
ここでは競技に特化したマウンテンバイク用を指す。マウンテンバイク用は競技指向が強く、底が堅く、泥で走る事も想定してピンスパイクなども装備している。踵が付いていて歩く事が出来るので泥やぬかるみなどで競技時間内でなら問題ないが、日常で使うにはやや難がある。
[編集] ツーリング、ストリート用
ツーリング愛好家やメッセンジャーなど競技を前提としない人々のための、乗車・歩行両方可能なシューズを指す。ビンディングペダルが使えて街で違和感のないスニーカーみたいなもの、山道を歩くために軽登山靴に似た作りになっているもの、自転車での走行に向いているが歩く事も同時に想定したものなどいろんな種類が存在している。
[編集] ウインドブレーカー
自転車で走行する場合には前方から強い風を受ける場合が多い。ウインドブレーカーはこの風から効果的に体温を保つためによく用いられる。気候状況などの変化によって着脱することが多いため、小型・軽量であることが多い。また、ジャージなどと同様に、背面の丈が長い。色は様々であるが、他者からの視認性を向上させるために、“蛍光色にされた黄やオレンジ”などの派手な色が望ましいとされる。
[編集] レインウェア
レインジャケット、レインパンツ、レイングローブ、ヘルメットカバー、シューズカバー。 材質は雨を弾き湿気だけを放出する通気型素材。 レース用にレーサージャージに書かれたチーム名やスポンサー名を透過する透明な物もある。
[編集] ウォーマー
ショート丈のレーサージャージに対応させ、耳、首廻り、腕、脚、膝だけに装着するものを「ウォーマー」と呼ぶ。部位によって名称はそれぞれ異なり、例えば腕なら「アームウォーマー」、脚なら「レッグウォーマー」と呼ぶ。コンパクトに収納できるので普段は携帯して寒くなったら素早く着用することができる。素材は保温性の高いものが使用されている。
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