サッカーザールラント代表
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サッカーザールラント代表(Saarländische Fußballnationalmannschaft)は、かつてザールラントサッカー協会によって編成された「ナショナル」チーム。1950年から1956年まで存在した。1954年にはFIFAワールドカップ予選に参戦したが、予選敗退に終わった。
[編集] 歴史
第二次世界大戦後、ザールラント(現在のザールラント州)はフランスの占領下におかれていた。フランス政府はザールラントのクラブが「対外(=ドイツのクラブ)」試合を行うことを禁じていたため、ザールラントのサッカークラブは、フランスリーグ2部でプレーすることを余儀なくされた。(この2部リーグで1.FCザールブリュッケンが優勝を果たしたこともある。)こうした状況下で、フランスサッカー協会に吸収されることを懸念したザールラントサッカー協会は、フランスでもドイツでもない独自の組織としてFIFAへと加盟を申請した。1950年にこの申請が認められたため、公式に「ザールラント代表」が存在することになったのである。
人口100万に満たない狭い地域内で代表チームを組織しなければならず、ほとんどの代表選手が1.FCザールブリュッケンから選出された。1954年のワールドカップ予選では初戦のノルウェー戦に0対2からの逆転(3対2)で勝利するなど大番狂わせを成し遂げたが、同じ予選リーグ内にサッカードイツ代表もいたため、あえなく粉砕し予選突破はならなかった。(ドイツとの2試合の結果は0対3、1対3。)
ドイツの主権回復、ザールラントのドイツ復帰にともない、ザールラントサッカー協会はドイツサッカー協会と合併することになった。そのため、ザールラント代表も解消された。
[編集] 参考文献
- 『ブンデスリーガ ドイツサッカーの軌跡』(バジリコ株式会社)
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