シティ・ポップス
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シティ・ポップスとは、日本のポピュラー音楽のジャンルのひとつ。
経緯としては、1980年頃から、ニューミュージックとは言い切れないような、より洋楽(特にAOR)に近い、都会的(東京的)なポピュラー音楽に対して、使い始められたらしい。
具体的な、ミュージシャンとしては、例えば、濱田金吾、安部恭弘、杉真理、山本達彦、角松敏生などが挙げられ、場合によっては、山下達郎や南佳孝なども含める考え方があるが、その範囲については、極めてあいまいであり、使う者によって、範囲が一致しないことが多い。
上記の経緯からして、ニュー・ミュージックと重なることはないはずだが、ニュー・ミュージックの範囲も極めてあいまいなことから、実際には、この2つは重なることがあり、シティ・ポップスとも呼ばれ、かつニュー・ミュージックとも呼ばれる音楽も存在する。
1980年代前半には、和製ポップスという言葉が、ニュー・ミュージック(の一部)とシティ・ポップスの範囲を示す言葉としてかわりに用いられ(さらに、1990年ごろからは、J-POPという言葉となり)、1990年代以降は、シティ・ポップスという言葉は、ほとんど使われていない。
なお、シティ・ポップスは、「シティ・ポップ」と呼ばれることがある。これに対しては、
- 前に何も付かない「ポップス」の場合には「ス」があるのに、前に「シティ」を付けると急に「ス」がなくなるのはおかしい。
- 「J-POP」で、「J-POPS」とは呼ばないのだから、「ス」がなくてもおかしくはない。
- どうせ日本語なのだから、おかしいおかしくない、という議論自体がおかしい。要するに、どちらでもいい。
などのいろいろな意見がある。
[編集] 参考文献
- 『ジャパニーズ・シティ・ポップ』(木村ユタカ監修・シンコーミュージック・2006年)
- この文献には、「シティ・ポップ人物名鑑」という資料が含まれている。絶対的な情報ではないが、シティ・ポップの範囲を考えるための、あくまでも参考として、挙げられているアーティスト名を以下に掲げる。
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- アーティスト編
- 荒井由実(松任谷由実)、安部恭弘、有賀啓雄、伊藤銀次、稲垣潤一、EPO、大滝詠一、大貫妙子、加藤和彦、角松敏生、岸正之、木戸やすひろ、桐ヶ谷仁、黒住憲五、小坂忠、斎藤誠、佐藤博、SING LIKE TALKING、杉真理、鈴木茂、須藤薫、センチメンタル・シティ・ロマンス、惣領智子(TINNA)、高野寛、竹内まりや、二名敦子、西松一博、PIPER、ハイ・ファイ・セット、浜田金吾(濱田金吾)、ブレッド&バター、細野晴臣、松下誠。南佳孝、村田和人、やまがたすみこ、山下達郎、吉田美奈子、芳野藤丸、ラジ(全40アーティスト)
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- プレイヤー/アレンジャー/コンポーザー編
- 井上鑑、坂本龍一、佐橋佳幸、清水信之、惣領泰則、林立夫、林哲司、松任谷正隆、松原正樹、松本隆、村上秀一、村松邦男、矢野誠(全13アーティスト)
[編集] 関連項目
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