スズキ・ガンマ
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ガンマ(Γ =ギリシア文字)とは、スズキが販売していたオートバイのシリーズ車種である。同社のグランプリレーサー「RGΓ」(RG→RGA→RGBの次に"RGC"でなくギリシア文字の3番目でありギリシア語で「栄光」を意味する「ゲライロ」の頭文字のΓを使いRGΓとした)にちなんだネーミングである。
1983年、2ストロークエンジンを搭載したスポーツ車種であるRG(レーサー・オブ・グランプリの略)シリーズの発展形としてRG250Γが発売され、以降はレーサーレプリカ車種として排気量別に数車種が生産された。なお全車種とも既に販売は終了している。通称はRG250Γは「ガンマ(もしくはパラガンマ/パラガン)」、RG400Γは「ガンマヨンヒャク(もしくはヨンヒャクガンマ/ヨンガン)」、RG500Γが「ガンマゴヒャク(もしくはゴヒャクガンマ/ゴガン)」、RGV-250Γが「ブイガンマ」。
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[編集] RG250Γ
[編集] 初代
1983年発売。250cc2ストロークのスポーツバイクでは、ホンダとヤマハの後塵を拝していたスズキが放った意欲作。並列2気筒(パラレルツイン)がたたき出す最高出力45馬力は、以後、メーカーの自主規制の上限値となる。角パイプの量産車初のアルミフレームは軽量化と高剛性を両立、市販車として初めてのフルカウル(オプション)と相まって、レーサーレプリカという名前を定着させた。当時としては、運輸省(当時)の形式認可が取れたことが不思議とまでささやかれた機種であり、センタースタンドすら付けない過激なモデルであった。250ccでは初めて、(延々と続く直線で我慢して引っ張れば)メーター読みで180km/hまで出ると言われたマシンである。タコメーターの目盛は3000rpm(r/min)から始まり、それ以下のエンジン回転数は表示されない。通称「やっこだこテール」と言われるモデル。形式はGJ21。
[編集] 2代目
1984年発売。当時のGPでスズキが走らせていた黄色いHB(ハーベイ)カラーのカウルを身にまとう。初代モデルをベースにカウル形状を若干スラントさせた。HBカラーの後に青/白カラーを発売。
[編集] 3代目
- 1985年発売。非常に神経質であった前二代から安定感を増したモデルで、フロントのANDFをブレーキの油圧に連動せずダイヤル調整可能なPDF(PositiveDumpingFork)に、前輪を対向ピストン4ポッドのダブル・後輪を同じく対向ピストン2ポッドのDeca(ギリシャ語で10の意)Pistonブレーキに変更。メーターのデザインも一新され、カウルもアンダーカウルとシートカウルがつながったイメージのフルカバードフォルムとなり熟成度を増した。また中低速域のトルク向上のために排気デバイスSAEC(SuzukiAutomaticExhausttimingControl)を装備し扱いやすいモデルとなった。なおレーサーレプリカの印象を決定づけるため、先代同様にスペシャルカラーリングとして濃紺のウォルターウルフ仕様が設定される。これにはキーもエンブレム入りのスペシャル、メーター内にもエンブレムが付く専用品となりシングルシートカウルを標準装備していた。
[編集] 4代目
- 1986年、3代目を熟成させ登場、ただし変更点はカラーリング・ウインカースイッチのプッシュキャンセル化、サイドスタンド警告灯のみである。この頃のモデルから、サーキットでのレースでホンダのNSR、ヤマハのTZRに劣勢を強いられるようになりイメージが悪化(公道では性能を持て余すほどの代物であったが)、販売面にも影響が出始める。このため、時期モデルはV型エンジンが搭載されるとの噂が強まるとともに長い期間12万円引きのバーゲン車両となった。
[編集] 5代目
次はV型エンジン搭載モデルが登場と噂される中、発売された並列2気筒最後のモデル。V型エンジンの搭載を期待していたユーザーを大きく落胆させた。次期モデルを待つ買い控えもおき、販売量は思わしくなかった。
PDFを廃したフロントフォーク、前後ホイールの形状が変更されている。
スズキは大掛かりなマイナーチェンジを最終モデルにする事があり、5代目のRG250ガンマもそれに該当する。
しかし、あっさりと次期モデルを発表したりするので、そのまま1年足らずで消えてしまう事も多い。
(1,2型が前期型で3型から後期型となる。形式もGJ21AからGJ21Bと変更になっている。)
[編集] RGV250Γ
1988年フルモデルチェンジでRGV250Γに。 2ストロークレプリカの花形クラス。RGV-ガンマは3段階の変更がある。
- VJ21A(前期1988,後期1989) 記念すべきVガンマ最初のモデル。排気デバイスが2段。正立フォーク。キック始動。SPモデルはクロスミッション、フルアジャスタブルフォーク、リザーバー別体式サスペンション、TM34SSキャブ(89年のみ。スタンダードと88年SPはTM32SS)を装備。限定カラーとしてペプシカラーが存在し、これのみサイレンサーが黒色に塗装されている。
- VJ22A(前期1990~1992,後期1992~1993) 90年フルチェンジ。排気デバイスが3段。倒立フォーク。キック始動。湾曲スイングアーム。同じく乾式クラッチ、クロスミッション、リザーバー別体式サスペンションを搭載したSPモデル、クロスミッションのみをノーマルに戻したSP2も発売。91年に外観の小変更を行い、排気バルブの脱落によるクレーム多発の為、排気バルブを強化。93年後半に自主規制に伴ない馬力を40psに落とす。一方で湾曲スイングアームをWGPマシン譲りのトラス形式に変更。
- (注)アプリリアRS250はVJ22Aの規制前モデルのエンジンを使い、独自のミッションを搭載している。
- VJ23A(1994~) レプリカブームがはるか昔に過ぎ去ったはは94年フルモデルチェンジ。あまり知られていないが、車名もRGV-Γ250に変更されラインナップもSPのみとなった。最後発だけに性能はすばらしい。ボア、ストロークからシリンダーのバンク角(70°)までVJ22Aと同一としない完全新設計。始動装置はセルスタータのみであり、これは2ストレプリカとしては珍しい。ラッキーストライクカラーの車両も存在していた。国内仕様は40psだが輸出仕様(55ps)も並売された。1999年に新たな環境規制へ適合できないという判断が下され、また販売不振が重なったことにより生産終了。16年のガンマの歴史にピリオドを打った。
[編集] RG400Γ・RG500Γ
RG400Γは1985年発売。RG500Γは1984年より海外輸出、1985年国内発売。
WGP500ccクラスで1976~82年の間メーカーズ・タイトルを獲得した、レーサーRG500の直系バイクである。エンジンレイアウトはレーサーと同じくスクエアフォー。吸気方式はロータリーバルブ方式である。
- RG400Γはボア・ストローク50×50.6mmの397cc。公称馬力59ps。排気系のみ交換した車両で後輪70~80ps。
- RG500Γは56×50.6の498cc、公称馬力64ps(日本仕様)/95ps(輸出仕様)。排気系のみ交換した車両で後輪90~101ps。
- RG500Γ(輸出仕様)は200Km/hまでの加速は当時最速であり、現在でも比類無き加速感が味わえる。
- マイナーチェンジでウィンカースイッチがプッシュ式になり使い勝手が向上した、その他の変更点はサイドスタンドスイッチやスイングアームなど。
- ノーマルでの公称最高速はRG400Γで226Km/h,RG500Γ(輸出仕様)で246Km/h。但しメーカー広報車のため、ノーマルではそこまでは出ない模様である。フルカウル車であるが空力はさほど良くないため、200Km/hからの加速は悪い。
- 海外ではレーサーTZなどのシリンダーを使い、140psほどたたき出している人もいる様子だ。
- また、エンジンをVJ22Aのフレームにコンバートするキットが存在する。日本では今は2ストローク車の新規登録ができないのでそのキットの合法的公道走行車への適用は困難である。
- スペシャルカラーリングとして濃紺及び銀色のウォルターウルフ仕様が設定される。メーカーのイメージカラーは青/白だが愛好者には濃紺のウォルターウルフ仕様が好まれる。NS400RやRZV500に比べて、カラーバリエーションが多いのも特徴であるが、400ccと500ccの差別化も必要だった為と思われる。
[編集] RG125Γ・RG200Γ・RG150Γ
RG125Γは1985年発売、1991年フルモデルチェンジ。
- 基本はオフロードバイクのTSシリーズに、Vガンマの腰上に変更したようなもの。
- SP125クラス常勝マシンといえば聞こえはいいが、実際はこのクラスは閑散としているのでレースに使いやすいライバルがいなかった。
- 国内仕様は22ps/10000rpm1.7kg-m/9000rpmだが、国外仕様には33psのものと15psのものが存在している。
- 個人による改造が盛ん。
RG200Γは1992年発売。
- 基本はTS200Rで、メッキシリンダーではない。35ps/9000rpm2.9kg-m/8000rpm
RG150Γはタイの制度にあわせて作られたタイスズキ製バイク。
- 基本は91年以降の125や200と同じだが各所変更がある。37ps/10800rpm。また、150のガンマでもいくつかバージョンがあり、なかにはスポークホイールのものも。
[編集] RG50Γ
1983年発売。
- 実は一番早く登場したガンマレプリカ。生産終了まで一度もフルモデルチェンジが行われなかった長寿モデル。 いやRG50Γ自体がRG50Eのフルモデルチェンジ版だから
よく勉強しなさい!!
- 大きく4段階のマイナーチェンジモデルがあり、初期モデルはリミッターが無しと思われているが7000回転で作動するレブリミッター搭載。90キロスケール。
- 最終モデルは17インチホイールなどが採用された。
[編集] ウルフ
ウルフ(WOLF)とは、2ストロークエンジンのネイキッド車種であり、 基本的にΓの一部外装を取り外した廉価版としての位置付けで販売されていたシリーズである。 全車種既に販売は終了している。
- ウルフ250
- ウルフ200
- ウルフ125
- ウルフ50
実はウルフはスズキの伝統的なペットネームで、ガンマベースのウルフは3代目にあたる。 初代は空冷2stで、複数の排気量設定があった。初代スズキングもウルフ90(空冷2st横置きシリンダー並列二気筒15馬力)。 二代目は空冷2st50ccのレジャーバイク。