チャッターバー
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チャッターバーとは、道路区画線の中央線上や導流帯上などに、一定間隔で設置されている反射板の付いた金属製の構造物である。建設業界では一般的に「道路鋲」と呼称されているが、一般的には「キャッツアイ」と呼ぶ者が非常に多い。
[編集] 概要
本体の材質はアルミニウムの鋳造製が多く、軽量かつ高強度となっている。夜間の視認性向上のため、対向する面にガラスまたは樹脂製の高輝度反射板が取り付けられている。底面には1本ないし2本の脚が付いており、路面に穴を開けて専用の接着剤またはコンクリートを塗布し開口部に脚を挿し込み固定されており、容易に外れないようになっている。なお、積雪の多い地方では冬季に除雪作業の支障となったり、作業時に破壊してしまう恐れがあるために着脱式とし、秋に取り外し春に再度設置するなどしている。
上から見おろすとよく分かるが、形状が平行四辺形になっており、短い側の2辺を道路進行方向に対して平行に設置すると、長い側の2辺が進行方向左斜め前方を向くようになっている(逆向きになっているものもある)。これは、意図しない状況で自動車の車輪がチャッターバーに乗り上げた場合、対向車線にはみ出さないよう自動的にハンドルが左に切れ、強制的に走行している車線へ車体を戻して平常走行回復させるためである。他にも、乗り上げた衝撃でよそ見や不注意運転、居眠り運転の抑止を図る効果もある。
主に中央分離帯、追越禁止区間、分岐点、緩速道路などに設置されているが、特にカーブの連続するような峠道などでは、ローリング族やドリフト族等の暴走行為を抑止するために設置されている例が非常に多い。また、車高の低い自動車や大径の偏平タイヤを装着した自動車の場合、乗り上げると車体やタイヤ・ホイールに損傷を与える場合があるので故意に乗り上げないようにすべきである。
ちなみに「キャットアイマーカー」は歩車道境界ブロックなどの縁石上に設置するものであり、チャッターバーとは全くの別物である。