視線誘導施設
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視線誘導施設(しせんゆうどうしせつ)とは、道路の側方や中央などに沿って、路端や道路線形などを明示し、昼夜間における車両運転者の視線誘導を行うために設置する施設の総称である。また積雪地帯では、除雪作業の目印としての役割も果たすものもある。
[編集] 種類と概要
- 視線誘導標(デリネーター、デリニエーター)
- 道路の側面に設置して、路側の表示をするもの。一般的に丸い反射体が取り付けられており(四角いものもある)、道路左側と道路右側の誘導標の反射体が違う色で光るようになっていて、先方の道がどちらに曲がっているかの判断が付くようになっている。支柱の先に反射体が付いているものが多いが、反射体が縦に2個付いているものや支柱自体が夜に光るものもある。積雪地域ではスノーポールを兼ねるものもある。ガードーレールにシート状のものを貼り付けた形式のものもある。また粉塵の多い地区では、防塵用のファンが取り付けられているものもある。また設置環境によっては自発光式のものもある。
- 視線誘導樹
- 路側や中央分離帯に連続的に樹木を植えたものをいう。特に積雪地帯では、雪景色の中では光る視線誘導標よりも黒く見える木のほうが視認性が良い。また木は吹雪から道路を守る力もあるし、環境にも優しい。一部の地域では間伐材を植えているところもある。
- スノーポール
- 積雪の多い地域で道路の路肩に立てた背の高い標識柱で、デリニエーターを兼用しているものが多いが、特に積雪の多い地方では、Γ字型をした電柱並みの高い支柱に空中から矢羽根で路肩の位置を示しているタイプもある。
- ロードパイプ
- 車道と歩道を区分している標柱で、夜間には反射で光るシートを貼り付けてあることが多い。ポール同士をチェーンで結んでいるものも多い。後述のラバーポールとは違い、一般にスチール製なので歩行者を守る能力は高いが、自動車には優しくない。
- 曲線部誘導標(カーブマーカー、カーブプレート、アローサイン、ロードスター)
- 特に急なカーブの外側路肩に設置されて、カーブの方向を示す>あるいは<などの形のマークが記された標識。昼間は白地に赤で夜間は反射光で光るようになっている。
- 車線分離標(ラバーポール)
- ゼブラゾーンの境界や中央線などに設置されている、柱状の物体で、一般にラバー製で自動車が誤って接触したり衝突しても自然に倒れて自分で起きあがる(自立式)ようになっており、安全性は高い。各社の商標が半ば普通名詞的に使用されていることも多い。NOKの「ポストコーン」、太陽企画販売の「イーコーン」、積水樹脂の「ポールコーン」、東洋ゴムの「ガードコーン」、保安道路企画の「ポストフレックス」などである。デリニエーターでもこの仕様の支柱の先端に反射体が付いているものもある。
- クッションドラム
- 車線数が変わる所、標識などの手前、待避所などと道路との境界、などに設置されている太くて丸い、柔らかい物体。クッションが良く聞いているので、衝突した場合の衝撃を少しでも和らげてくれる効果がある。夜光性になっているのが一般的である。
- 道路鋲(チャッターバー、キャットアイマーカー)