ツァンパ
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ツァンパ(チベット語 rtsam pa、英語 tsampa、中国語 糌粑 zānbā)とは、主にオオムギの変種であるハダカオオムギ(裸大麦、学名 Hordeum vulgare L. var. nudum Hook. f.、中国語 青稞 qīngkē )の種子を脱穀し、乾煎りしてから、粉にした食品である。コムギなど別の穀物を用いる場合もある。
チベット人の主食で、日に3回ほど食べる。年間を通じて食べられる保存食でもある。遊牧生活をしているチベット人は、粉にしたものをヒツジの皮袋に入れて保存、携行している。
日本のはったい粉(麦焦がし)とほぼ同じものであるが、調味の方法が異なる。 バター茶、または、湯とヤクのバターを加えて練り、粘土状にしてから食べる。水分、バターの配合比率が適切であれば、器の中できれいにまとまるが、多すぎたり、少なすぎたりすると、べたべたするか、ばらばらのままとなるので、慣れない者は、徐々に水分を足してゆくと良い。
[編集] ツァンパを使った菓子
- マルセン - ツァンパにバター、粉チーズ、黒砂糖を混ぜて作る練り菓子
[編集] 伝統行事
- ツァンパ祭り
チベットではダライ・ラマの生誕日に、すれ違った人に挨拶しながらツァンパをふりかける風習があり、俗にツァンパ祭りと呼ばれている。
- チェマー
元旦にはツァンパを練って作った、チェマーと呼ぶ山状の供え物の一部をつまみ取り、無病息災などを祈りながら、空中に投げる祭礼を行う風習がある。