テイレシアス
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テイレシアス(Teiresias)は、ギリシア神話に登場するテーバイの予言者。エウエレスとニンフのカリクロの子。エウエレスはスパルトイの一人、ウダイオスの後裔であるとされる。ソポクレス作『オイディプス王』『アンティゴネ』などテーバイを舞台とした作品にしばしば登場する。
盲目の予言者として知られるが、盲目となった理由は諸説ある。一説には、女神アテナが沐浴している姿を見てしまい、アテナによって盲目とされたが、これを不憫に思ったアプロディテが予言の力を与えたという。また一説には、テイレシアスがキュレーネー山中で交尾している蛇を打ったところ、テイレシアスは女性になってしまった。9年間(7年ともいう)女性として暮らした後、再び交尾している蛇を見つけ、これを打つと男性に戻った。あるときゼウスとヘラが、男女の性感の差について、ゼウスは女がより快感が大きい、ヘラは男の方が大きいとして言い争いとなり、テイレシアスの意見を求めた。テイレシアスは「男を1とすれば、女はその10倍快感が大きい」と答えた。ヘラは怒ってテイレシアスの目を見えなくしてしまった。ゼウスはその代償に、テイレシアスに予言の力と長寿を与えたという。