デモンターブル
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デモンターブル(démontable)とは、自転車のフレームの中間にカップリングなどを取り付け、分割し小さく持ち運べるようにしたもの。省略してデモンタと呼ぶこともある。"Démontable"はフランス語で分割可能という意味である。
折り畳み自転車は、折りたたみ小さくしたり、走行可能な状態へ戻すことは簡単だが、ヒンジ部分の精度の問題や、折りたたみ機構による車体設計の制限などがあり、走行性能は落ちる。逆にデモンターブルは、分割・組み立ては面倒だが、分割式でない自転車とほぼ同じ走行性能を有する。
アレックス・モールトンのような自転車も広義にはデモンターブルの一種。本格的なデモンターブルは東叡社(さいたま市)のようなオーダーメイド工房で、S&S Machine社のBTCカップリング(東叡社はS&S社の指定工場)を使い作成することになる。S&Sの指定工房には、ほかに、つねさぶろう(千葉市)などがある。以前はパナソニックの「ラ・スコルサ・ヌーボ」にも、ロード、ミキストなどと並んでデモンターブル・モデルが設定されており、現在もナショナル自転車工業でPOSと呼ぶオーダーメード車種のうちB-OSD3がデモンターブルとしてラインナップされている。
2004年よりトム・リッチーが画期的な分割方式のフレーム「ブレイクアウェイ」を発表した。その後折り畳み自転車メーカーのダホンがリッチーのパテントの使用権を取得、リッチーブランドと並行してブレイクアウェイフレームを使ったデモンターブルを自社ブランドとして製造している。