トライアンフ (二輪車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トライアンフ (Triumph) は、ドイツ人のシーグフリード・ベットマンによって、イギリスで1886年に設立した老舗オートバイメーカー。
かつてのトライアンフ社(メリデン・トライアンフ)は業績の悪化により1983年に一度倒産の憂き目を見たが、1991年に再生し新トライアンフ(ヒンクレー・トライアンフ)として全く新たな傾向のオートバイを世の中に送り出している。
目次 |
[編集] 主なシリーズ車種
分類は公式ホームページを参考。
- アーバンスポーツ
- 走りを重視したいわゆるロードスポーツモデルで、日本国内では一番売れているモデルであり多くのモデルがカウルを装着している。このオートバイは直列3気筒という特殊なレイアウトのエンジンを搭載し、日本車には無い強烈な個性を持っている。
- スピードトリプル (Speed Triple) は、2000年の映画『M:I-2/Mission:Impossible 2』では主人公が乗り、デイトナ (Daytona) は敵役が乗るオートバイとして登場する。また2004年の映画『トルク』でもトライアンフの車両が登場している。
- なお大きなカウルを装備し荷物の積載能力やタンデムに配慮したツーリングモデルであるタイガー (Tiger) も含まれているが、ヨーロッパでは人気だが日本では極めて稀少である。
- モダンクラシック
- ネイキッドで、かつてのメリデン・トライアンフを彷彿とさせるデザインのモデル。空冷並列2気筒のエンジンは360°クランクで中低速の強いトルクと重厚な鼓動感を重視した非常に味のある特性を持っている。代表車種であるボンネビル(Bonneville) 、ボンネビルにタコメーター、ニーパッド、メッキパーツなどが装備された上級バージョンボンネビルT100 (BonnevilleT100)、およびボンネビルをカフェレーサー仕様に仕立てたスラクストン (Thruxton) は日本でも高い評価を得ている。なお、従来ボンネビルは790CCであったが、2007年モデルよりボンネビルT100同様の865CCとなった。また、スクランブラー (Scrambler) はパワフルかつ軽快な270°クランクのエンジンにブロックパターンタイヤ、右2本出しマフラーなどが装備され、非常にスタイリッシュなモデルとして2006年にデビューした。映画ミッションインポッシブル3にトム・クルーズが乗っているシーンがある。
- クルーザー
- アメリカ (America) という車種があるようにアメリカンタイプであり、スピードマスター (Speedmaster) や、排気量2294ccの直列3気筒を縦置きに搭載するロケットIII (RocketIII) など異色の化け物も扱っていて「実に楽しい」「非常に面白い」と評されるオートバイである。いかんせん日本国内では知名度が芳しくないが、北米などではこのシリーズが主力車種となっている。
[編集] オートレースとトライアンフ
昔のオートレースの競走車は、選手が規格の範囲でエンジンを自由に選択でき、メリデン・トライアンフの頃のエンジンは最もオートレースの競走車に適すると評価されていたが、倒産により部品の入手が困難になってからは選手の間で部品争奪戦が繰り広げられたと伝えられている(現在、オートレースの競走車のエンジンは、スズキ製セア1種類に統一された)。またオートレース用トラのエンジンパーツはT120をはじめバーチカルツイントラの格好のチューニングパーツとして珍重されている。
詳細についてはトライアンフ (競走車)を参照すること。
[編集] 関連項目
- トライアンフ (自動車) - 発祥は同じ会社だが、1930年代より自動車製造部門を分社化。
- トライアンフ (競走車) - オートレースで使用されたトライアンフの詳細と歴史に関して記述されている。