直列3気筒
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直列3気筒(ちょくれつ3きとう)とは、レシプロエンジンのシリンダー(気筒)配列の形式のひとつ。シリンダーが3つ直列に並んでいる。略して「直3」とも記載することもある。
日本における軽自動車(総排気量660ccまで)に採用例が多い。スバル以外の軽自動車メーカーがラインナップしている。また、普通車用としては専ら1000~1300cc程度までの小排気量エンジンに用いられる。4気筒よりも1気筒当たりの排気量が大きいために、4気筒エンジンよりも冷却損失が小さく燃費が良く、2気筒エンジンよりは1回転でのトルク変動が小さいという長所で用いられる。一方、4気筒エンジンより振動面で劣るために大排気量エンジンでは用いられない。
自動車用としては、軽~小型車に採用されるケースが多いことからガソリンエンジンである場合がほとんどであるが、かつてはダイハツが同社の小型乗用車「シャレード」用に1000ccディーゼルエンジン(ターボモデルも存在)を生産していたこともある。自動車用でもっとも排気量が大きかった直3エンジンはアルファ・ロメオが1984年にアルファ・ロメオ・33に搭載した1.8L(1779cc)のディーゼルエンジンである。
2006年現在、オートバイ用ではイギリスのトライアンフが同社のクルーザー「ロケットIII」用に生産している総排気量2.3Lのエンジンが存在するほか、それ以外にも多くの直列3気筒搭載車をラインアップしている。日本のメーカーでは、スズキとカワサキが2サイクルエンジンを、またヤマハは4サイクル750ccを生産・採用していた時期もあった。