トーマス・ヒックス
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男子 陸上競技 | ||
金 | 1904 | マラソン |
トーマス・ヒックス (Thomas J. Hicks、1875年1月7日- 1963年12月2日)は、アメリカ合衆国の元陸上競技選手。ヒックスは、イギリス出身の選手で1904年のボストンマラソンで2位となった選手であり、1904年のセントルイスオリンピックのマラソンで金メダルを獲得した選手である。
[編集] セントルイスオリンピック
土の走路は車が走ることによって発生するちりのによる悪コンディションの中行われた。
ところで、金メダルを獲得したヒックスは、実は最初にゴールラインを割った選手ではない。1着でゴールインしたのはフレッド・ローツであった。1着でゴールしたローツは約9マイル地点でレースをやめ、車に乗ってゴール手前5マイル地点から再び走りはじめてゴール。後で係員に見つかって失格となった。これは「キセルマラソン事件」として有名である。
ローツの失格によって繰り上がりの金メダルを獲得したヒックスであったが、現在のルールでは、彼も失格となっているはずである。それというのは、彼はレース中にひどく疲れていたため、約1 mgのストリキニーネと、ブランデーを摂取していたからである。まずストリキニーネを1服摂取したがあまり長続きしなかったためもう1服した。結果として、棄権せずにゴールテープを切ることができ、ローツの失格で繰り上がりの金メダルとなった。もしもう1服していたら命にかかわっていたかもしれない。現在ではストリキニーネは禁止薬物とされている。
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