ブランデー
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ブランデー(ブランディ、 Brandy )は、果実酒からつくった蒸留酒の総称。単にブランデーと言った場合は通常ブドウが原料のワインを蒸留して作られたものを指すが、リンゴやサクランボから作ったものも存在する。アルコール度数は40度弱から50度程度である。
白ブドウを酵母によって低温で発酵させワインを作り、これを蒸留させる。さらに、樽に入れて熟成させて製造する。
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[編集] 歴史
7、8世紀ころより、スペインでワインを蒸留していたと言われる。15世紀には、フランスのアルマニャック地方やコニャック地方で生産が始まり、この地方のブランデーは現代では世界的に知られている。1713年にはルイ14世がフランスのブランデーを保護する法律を作った。それ以後、ヨーロッパ各国の宮廷に取り入れられ、「王侯の酒」の地位を得ていった。
ワイン王国でもあるフランスがブランデーの生産国として有名であるが、ワインの生産国はいずれもブランデーを生産している。 なお、フランスでは「コニャック」、「アルマニャック」という名称の使用は1909年以降は法律で厳しく制限されている。
主なブランドとしてはカミュ、レミーマルタン、ヘネシー、マルテル、オタールなどが有名である。日本国内で製造している主要企業としては、サントリーやニッカウヰスキーなどがある。
[編集] 飲み方
飲み方として最も知られているのは、ストレートである。ブランデーグラス[1]に、室温のブランデーを少量入れて、香りとともに味わう。ブランデーの味わいでもっとも尊重される香気を損なうことなく堪能できる最上の飲み方。特に高品質のものほどストレートで味われる傾向がある。
また、オン・ザ・ロック、水割り、ソーダ割りなどで飲まれることもある。そのほか、ステーキなど、肉料理のフランベにも使われる。
[編集] 熟成年数を表す符号
ブランデーでは、ブレンドした原酒中で最も古いものの熟成年数を表す符号が一般に用いられている。ただし、これは製造国や製造元によって異なりうる。
- 1つ星
- 3つ星
- VO
- very old (とても古いブランデー)
- VSO
- very superior old (とても優れた古いブランデー)
- VSOP
- very superior old pale (とても優れた古い澄んだブランデー)
それ以上のグレードでは、通常以下の称号が与えられており等級別に価格がさらに上がっていく。
ナポレオンクラス - XOクラス - エクストラクラス - プレミアムコニャック
これらの称号の物は原酒が6年以上熟成されていることが必要だが、同じナポレオンでもメーカーによっては10倍以上の開きがある。たいてい無名のブランドのナポレオン等は2000円前後で箱無しや粗末な瓶に入って売られている場合が多い。高級品ほど瓶や箱が贅沢にできており、味もスムーズである。プレミアムコニャックの場合5万円以上し数十年熟成されたものもある。
[編集] 脚注
- ^ チューリップ型のグラス。すぼまった口に香りが集まるので、香りを味わうことができる。