ニシン目
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ニシン目 Clupeiformes | ||||||||||||
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![]() タイセイヨウニシン Clupea harengus |
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分類 | ||||||||||||
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下位分類 | ||||||||||||
(本文参照) |
ニシン目(Clupeiformes)は、硬骨魚類の分類群の一つ。イワシ、ニシン、サッパ、コノシロなどを含むグループである。
[編集] 概要
83属、約360種類が知られ、うち日本近海には26種が分布する。全長は20cm-30cmほどのものが多いが、オキイワシは全長1mほどになる。
分布の中心は熱帯から温帯だが、ニシンのように寒帯に分布するものもいる。ほとんどが海水魚だが、産卵期に川をさかのぼるエツや、一生を淡水で過ごす種類もいる。
体は葉のように左右に平たいが、体の断面が逆三角形をしているものも多い。ひれの位置や形を見ると、胸びれは腹側にあり、背びれは1つだけで、背びれと腹びれ1対は三角形をしている。ひれは全て軟条からなり、棘条(とげ)は発達しない。各ひれは体に対して小さくて遊泳力が高く、速く泳ぐ時は体の後半部を激しく振って泳ぐ。体色は背面が青や灰色、体側から腹部にかけては銀白色になっているものが多く、これは光が差す水中で保護色となる。
群れを作って生活するものが多く、マイワシやニシンなどは時に海面が黒く染まるほどの大群を作り、外洋を回遊する。天敵に遭うと密集隊形を作るが、それでも他の個体とぶつかることはない。
おもな食べ物はプランクトンで、口を開けて海水ごと吸い込み、えらにある鰓耙(さいは)でプランクトンを濾しとって食べる。このためニシン目魚類の鰓耙は櫛状によく発達している。
いっぽう天敵はイカ、サメ、アジ、カマス、マグロ、クジラ、イルカ、人間など多岐にわたり、海の食物連鎖で重要な位置を占めている。
多くが重要な食用魚となっており、巻き網や定置網、刺し網などで多量に漁獲される。食用の他にも釣り餌や飼料、肥料などに使われる。
[編集] 分類
- デンティケプス科 Denticipitidae
- カタクチイワシ科 Engraulidae
- オキイワシ科 Chirocentridae - オキイワシ
- ニシン科 Clupeidae
ただし、ヒラ亜科はヒラ科(Pristigasteridae)とし、ニシン科とは別に分類することもある。