ニホンハッカ
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ニホンハッカ | ||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||
Mentha arvensis var. piperascens | ||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||
ニホンハッカ | ||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||
Japanese peppermint |
ニホンハッカ(日本薄荷、学名:Mentha arvensis var. piperascens シノニムも数種あり)は、シソ科ハッカ属の多年草。国外では通称、和種薄荷(ワシュハッカ、Japanese peppermint)と呼ばれている。単に薄荷ということもある。ハーブの一種。
水蒸気蒸留によって薄荷油を抽出し、さらにこれを冷却して成分のひとつであるメントールを再結晶させて得る原料に用いられる。これらは食品用、、生活用品などの香料として、また医薬品用(薄荷油・メントールとも薬局方に収載されている医薬品である)としても用いられている。食品分野では、昔ながらの菓子、飴などの香料としての用途が代表的である。近年は化学工業的に合成されたメントールにシェアを奪われ、生産が減少している。
清涼感がするのは爽快な香りや、多く含まれているメントールの性質(体中にある冷たさを感じる受容体を刺激したり、常温で昇華するため気化熱を奪ったりする)によるもの。
日本では、太平洋戦争以前の大日本帝国時代の岡山県で換金作物として多く栽培され、生産量は世界一位であった。昭和初期には北海道北見市で多く栽培され、世界のハッカの7割が北見産であったといわれている。 昭和期後半以降になると、薄荷油、メントールの原料はインドなど海外から輸入された薄荷抽出物がほとんどとなった。北見市の生産量も激減し、北見ハッカの象徴的存在であったホクレンの製造工場は1983年に閉鎖、2004年現在生産農家は1軒しか残っていない。
北見市は現在も観光土産としてハッカ製品を多く売っており、名産品の名残を残している。また、仁頃地区には「ハッカ公園」があり、公園内には昭和初期にハッカで大財産を成した商人、五十嵐弥一の邸宅を復元したものが建っている。地元の人たちから「ハッカ御殿」と呼ばれるその建物は、一刀彫の豪華な欄間などの贅沢さで当時の隆盛を物語っている。