ネグレクト
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ネグレクト (neglect) とは、本来英語で「無視すること」を意味するが、日本では主に保護者などが子供や高齢者・病人などに対して、必要な世話や配慮を怠ること。児童虐待、高齢者虐待のひとつ。
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[編集] 概要
特に幼児や児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食、又は長時間の放置、その他の保護者としての監護を著しく怠ることを指す場合が多く、育児放棄(いくじほうき)ともいう。体罰(躾)と称して積極的に戸外に締め出したり、食事を与えないなどのような虐待する行為だけではなく、保護者として社会通念上で行うべき保護を怠っている場合も含む。
積極的ネグレクトと消極的ネグレクトの2つに分けられる。積極的ネグレクトとは、親に養育の知識や経済力の不足など、子供を育てられない明確な理由がないのに育児を放棄することであり、消極的ネグレクトとは、親の経済力が不足していたり、精神的疾患を抱えている、知的な障害がある等の理由で育児ができないことを指す。
日本では刑法第217条の遺棄・第218条の保護責任者遺棄等・第219条の遺棄等致死傷の上で扱われ、放置された側がそれで負傷ないし死亡した場合に、その放置を行った側が処罰される対象となる。
例えば、過去の事例では以下のようなケースが典型的である。
- 病気になっても病院に受診させない
- 暑い日差しの中、駐車場の車内への放置
- 日本でも3~4月の天候下で熱中症による死亡事例も発生している。
- 防寒に充分な着衣を着けさせず、寒冷な外気に晒す
- 過去には冬季に濡れた下着だけでアパートのベランダに放置された児童が低体温症で死亡した事例がある。
- 充分な食事を与えない
- 下着など不潔なまま放置する
なお、広義では乳幼児や高齢者に対しての同様の行為もネグレクトとみなされる。寝たきりの高齢者や乳児の排泄物で汚れた下着を取り替えてやらない、高齢者では寝たきりで体位の変換をしないために褥創を作ってしまうのケースもある。
また日本では義務教育制度があるが、就学年齢に達した児童を学校にも通わせずに、自宅などに軟禁状態とみなされてもおかしくないように放置することも広義では育児放棄とされる。その際に、該当する被保護者が保護者以外に頼れる相手が社会に居ない場合は、他に行く当てが無いために、その状況から逃げ出す事も出来ないので、実質的な監禁状態であるともみなされる。
これらの状況下では人権が阻害されているため、公的機関などが保護する必要があると共に、保護者側が自身の生活だけで汲々としているようなケースでは、この保護者に対して必要な援助を行うことで自立を促し、当人等が被保護者に対して充分な保護を行えるようにしていく事が望まれる。
[編集] 治安と放置
欧米では特に誘拐等の犯罪も起き易い事情もあって、児童を遅くまで戸外で遊ばせていたり、子供を車に残したままコンビニで買物をしていても問題視され、場合によっては警察官に注意を受ける可能性がある。
従来の日本では治安が行き届いているとみられていたために、かつては児童等が一人で児童公園等で遊んでいてもあまり問題視されなかったのだが、1980年代後半頃から現在に至るまで、児童を付け狙う変質者の起こす事件が後を絶たない事情もあって、近年では保護者が子供を遅くまで戸外で遊ばせて顧みない行為を問題視する風潮も出ている。
[編集] 関連する作品
2004年カンヌ映画祭で主演男優賞を取った映画「誰も知らない」の中の母親のような行為もネグレクトに当たる。なお同映画に関しては、これの題材と成った巣鴨子供置き去り事件の項も参照されたし。
[編集] その他
またネグレクトには、逃避等の意味も含まれ、問題に立ち向かわないことに対してこの言葉が使われる事もある。