ハドラー (ダイの大冒険)
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ハドラーは、三条陸(原作)と稲田浩司(作画)による漫画及びそれを原作とするアニメ『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の登場人物である。
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[編集] 人物
- (魔王→魔軍司令→超魔生物)(声:青野武)
- 名前の由来は怪物の「hydra」から。原作者曰く「蛇のような残酷な目の男という意味」。初登場時の風貌は「竜王」を意識したものと思われる。(余談だが、原作者はプロ野球・ヤクルトに1993年に在籍したレックス・ハドラーについて、「本当にこんな名前の人がいるなんて…」と驚いていた。さらに余談だが後に大阪近鉄バファローズにケビン・バーンという選手も入団している)。
[編集] 魔王時代
- かつて、モンスターを魔力で支配し魔王軍を率いて、地上の征服を計ったが、勇者アバンの一行などの抵抗に苦戦する。その中で、アバンとは数回闘うが、両者とも殺すまでにいたらなかったことから、決着がつかなかったとも言える。(作中で見られるアバンとの戦いは、カール城での初対面時の戦い、「凍れる時間の秘法」を駆使した闘い、ハドラー軍最後の闘い、バーン軍最初の闘い。)
[編集] 魔軍司令時代
- 357歳。アバンに倒されたのち大魔王バーンの力によって復活し、魔軍司令(バーン軍の司令官)として彼に仕える。デルムリン島でアバンを倒し、ダイ達を執拗に狙うものの敗北を重ね続けザボエラと一緒に騙し討ちも使ったが防がれ大怪我を負った。初めは狡猾な戦い方をしていたが、それでは勝てないと悟る。ここに至ってハドラーは全てを捨てる覚悟を決め、最終的にはアバンの使徒を倒すために魔族の身体を捨てて超魔生物へと変貌する。
- 主な武器は、鎧の魔剣の素材(オリハルコンに次ぐとされる)をも貫く両手の爪「地獄の爪(ヘルズクロー)」。
[編集] 魔軍司令時代の技
- 地獄の爪(ヘルズクロー)による格闘。および火炎・爆裂・閃熱呪文全般(相手が死ぬまで消えないと豪語するメラゾーマをはじめ、バーンによって復活させられるたびにイオナズンやベギラゴンを習得し、3系統を極めている)
[編集] 超魔生物(親衛騎団王)時代
- 超魔生物ザムザにおける「超魔生物状態で呪文が使えない」欠点を克服するため、魔族の姿に戻れる機能を排除してしまう(余談であるが、原作者は後作「サイドボーン」でも「目的の為に生来の姿に戻る機能を捨てる」意味で共通の設定を主人公に使っている)。超魔生物になった以降は虚栄を捨て、アバンの使徒と正々堂々と戦い勝つことに全力を尽くすようになる。武器は「地獄の爪」に加えて、右手に仕込んだオリハルコン製の剣「覇者の剣」や内蔵武器「地獄の鎖(ヘルズチェーン)」も振るう。その身体にはバーンによって「黒の核晶(コア)」が埋め込まれており、皮肉にも超魔生物になったことが原因で余命いくばくもなくなる。そして後にバーンと袂を別つことになる。
- 大魔宮でダイに完全敗北後、キルバーンのトラップにダイとポップとともにかかり、2人で協力してなんとかダイだけは脱出させるものの、ポップと共にもはや絶体絶命の窮地にさらされるが実は生きていたアバンに救われる。その後最後の力でキルバーンを退け、かつての宿敵であるアバンに後を託し、そのアバンの腕の中で自らの人生に満足しながら灰となって散った。この時アバンが被った灰は後にアバンをメガンテやバーニングクリメイションの攻撃から救うことになり、死後は友としてアバンを守り続けた。上記の事とキルバーンの罠からは最後までポップやダイを庇い続けた彼は、終盤では紛れもなくダイ達の「仲間」であった。このときのハドラーとポップのやりとりは、読者の心を動かした。
- 武人となって以来、ハドラー自身はアバンを殺した事に後ろめたいものがあったらしく、バーンと袂を分かってもダイに力を貸せない理由に挙げていた。
- 原作者の三条陸は「ハドラーがここまでの武人に成長するとは思わなかった」とコメントしている。
[編集] 超魔生物時代の技
- (魔軍司令時代の技に加え)地獄の鎖(ヘルズチェーン)、魔炎気による攻撃、超魔爆炎覇
[編集] 技
- 禁呪法
- 物質に意思と人の形を与える禁断の呪法。これによって生み出された禁呪法生命体は術者の精神が反映された意思を持つ(もとより己の意思を持っていたマキシマムなどはこの限りではない)。禁呪法生命体は体内のいずこかにある核を破壊する、あるいは術者が死なない限り、生き続けることが出来る。
- 超魔爆炎覇
- 超魔生物になってからの必殺技。炎の暗黒闘気「魔炎気」を操り、それを剣と身体に纏わせ、魔法剣に似た力を敵に突進して叩き込む。喰らった相手は爆発と共に吹っ飛ぶ。