パトロン
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パトロン(patron)とは保護者、後援者のことである。ラテン語のパテル(pater、父)から派生した同じくラテン語のパトロヌス (patronus) に由来する言葉。
パトロヌスとは古代ローマにおいて存在した私的な庇護関係(クリエンテラ、パトロキニウム)における保護者を指し、被保護者であるクリエンテスとの関係は一種の親子関係にも擬せられた。パトロヌスはクリエンテスに対して法的、財政的、政治的援助を与える存在であり、こうした役割からもっと一般的に保護者を意味してパトロンが使われるようになった。
パトロンはその保護する対象に応じて
- 芸術家らの活動を支援する資産家、企業のこと。
- 英語では政治家の活動を支援する資産家、企業のことも指す。後援者のこと。
- 女性に月々のお手当てを渡したり開業資金を提供したりする男性のこと(多くの場合、愛人関係にあり年齢差がある)。
- 皆におごる人。
などといった意味合いで使われている。ここではこのうち芸術家の支援者としてのパトロンを扱う。
[編集] 歴史上有名なパトロン
- ルネサンスの時期にはアレクサンダーは理想的なパトロンと考えられた
- フランソワ1世 レオナルドの最後を看取る
- カール5世 ティツィアーノに伯爵位を授ける
- フェリペ4世 ベラスケスに肖像を描かせる
- オランダの同業者組合
- フランスの芸術アカデミー 展覧会(サロン)を開催
- モーガン
- カーネギー
- フリック
- メロン
- ロックフェラー
- グッゲンハイム
この他、高階秀爾『芸術のパトロンたち』(岩波新書)、海野弘『パトロン物語』(角川書店)には、画家の才能を見出す画商、収集家、評論家も例に挙げられている。これらも作家の活動を支援する側面があり、広義のパトロンといえる。