ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
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ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(Huey Lewis & The News)はアメリカのバンド。1980年代に数々のヒットで高い人気を博したアメリカン・ロック・バンドの代表的存在。
骨太のロックンロールを基盤に、ヒューイのハスキーボイスと爽やかなハーモニーを特徴とするキャッチーなサウンドは、まさに1980年代のアメリカのポジティブなイメージをそのまま音楽で表した存在といえる。
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[編集] 歴史
ヒューイ・ルイスは1950年7月5日生まれ。ニューヨークで生まれるが、まもなくサンフランシスコへ移住する。母親がヒッピー思想家であり、白人ながら黒人居住区に住んでいたことで、自然とR&Bなどの黒人音楽に親しむようになった。
大学時代にバンドを結成し音楽活動を始め、1971年にカントリーロック・バンドのクローバーに加入する。1976年、クローバーはパブロック界の大御所ニック・ロウの誘いを受けて渡英、エルヴィス・コステロのファーストアルバムのバックを務めることとなる。クローバーも翌1977年にデビューしたものの、アルバム1枚で解散した。その後ヒューイはアイルランド・ダブリンを中心に活動していたシン・リジィのアルバムにバックミュージシャンとして参加したりしていたが、芽は出ず、その後サンフランシスコに戻ってアメリカン・エキスプレスというバンドを結成するが、これも失敗に終わっている。
かような下積みを経て1980年、ヒューイ・ルイス&ジ・アメリカン・エキスプレスを結成、これがヒューイ・ルイス&ザ・ニュースと名を変えてデビューする運びとなった。1982年、セカンドアルバムからシングルカットされた「ビリーブ・イン・ラブ」がヒットし、ようやくヒューイは陽の目を見る。
そして1983年、アルバム「スポーツ」を発表。「アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ」、「ハート・オブ・ロックンロール」、「いつも夢見て(If This Is It)」などのヒット曲を連発、アルバムは800万枚以上を売り上げ、バンドは一躍スターの仲間入りを果たした。また「アイ・ウォント〜」が半年後にレイ・パーカーJr.の「ゴーストバスターズ」に盗用され、裁判沙汰になるというオマケもついてきた。
1985年には大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主題歌「パワー・オブ・ラブ」が全米1位の大ヒットを記録する。ヒューイも映画に脇役(オーディションの審査員)としてカメオ出演。主人公マーティが「パワー・オブ・ラブ」のイントロ部分の演奏途中で「分かった、もういい、止めろ、うるさ過ぎる、次のグループの番だ」という台詞を言う。同年にヒューイはUSAフォー・アフリカの「ウィー・アー・ザ・ワールド」に参加、ブリッジ部分でリード・ボーカルを務めた。翌1986年のアルバム「Fore!」からは「ジェイコブズ・ラダー」と「スタック・ウィズ・ユー」の2曲が全米シングルチャートのNO'1に輝き、バンドの人気は絶頂を極める。
苦労人で義理堅いヒューイは、サンフランシスコ出身のベテラン・ファンク・バンドのタワー・オブ・パワーのホーンセクションを起用し、その復活に力を貸した。またニック・ロウの「アイ・ニュー・ザ・ブライド」をプロデュースしてアメリカでヒットさせている。1986年にデビュー曲「ザ・ウェイ・イット・イズ」の全米1位ヒットを放ったブルース・ホーンズビー&レインジは、ヒューイが見つけ出した才能の一人だった。
1988年の「スモール・ワールド」以降はバンドの方向性を巡ってレコード会社と衝突することも多く、移籍を繰り返した。メジャー・レーベル以外からアルバムをリリースすることもあったが、現在も活動を続けている。ストレートなアメリカン・ロックの退潮により彼らの業績に対する現在の評価は非常に低い。ヒットメーカーとしての印象が強すぎたゆえに音楽性が誤解されている部分も大きいだろう。全盛期に日本でコンサートも行ったが、若い女性受けしないルックスだったためかお客の入りが悪く、渋谷陽一らが嘆いていた。
[編集] メンバー
- ヒューイ・ルイス(本名 ヒュー・アンソニー・クレイグ3世,1950年7月5日~)
リード・ボーカル、ハーモニカ
- ジョニー・コーラ(本名 ジョン・ビクター・コーラ,1952年7月2日~)
ギター、サックス、ボーカル
- クリス・ヘイズ(本名 クリストファー・ジョン・ヘイズ,1957年11月24日~ 2001年に脱退)
リード・ギター、ボーカル
- マリオ・シポリナ(1954年11月10日~、1995年に脱退)
ベース
- ビル・ギブソン(本名 ウィリアム・スコット・ギブソン,1951年11月13日~)
ドラムス、パーカッション、ボーカル
- ショーン・ホッパー(本名 ショーン・トーマス・ホッパー,1953年3月31日~)
キーボード、ボーカル
[編集] アルバム
- 1980年 Huey Lewis & the News
- 1982年 Picture This 「ベイエリアの風」
- 1983年 Sports
- 1986年 Fore!
- 1988年 Small World
- 1990年 Super Selections(日本盤のみ)
- 1991年 Hard at Play
- 1992年 THE HEART OF ROCK AND ROLL : THE BEST OF HUEY LEWIS & THE NEWS(日本盤のみ)
- 1994年 Four Chords & Several Years Ago
- 1996年 Time Flies (ベスト盤)
- 2001年 Plan B
- 2005年 Live at 25 - The Best of Live
- 2006年 Greatest Hits/Greatest Hits & Videos
[編集] 外部リンク
- Huey Lewis and the News - Front Page(英語 オフィシャルHP)
- NEST OF HLN FANS(日本語 ファンサイト)