ビデオファイル
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ビデオファイルとはビデオオーディオファイルとも呼ばれる、静止画等の画像を保存し、送出できるバンクシステムである。機能にもよるが、VF、VAFと略されることが多い。
かつて静止画を表示する必要がある場合は、紙を直接カメラで撮影し表示、合成するテロップカードを用いていた。それが、その後のコンピュータの発達により、MOないしハードディスクへ画像を直接保存し、送出する形に変わっていった。
当初は静止画、および静止画を単一方向に動かすロールテロップが主であったが、現在は保存容量の増大化やコンピュータの性能向上、圧縮技術の向上により、動画、音声、音声付動画等、様々な組み合わせの画像が保存され、送出されるようになっている。
特にテレビ送出の現場では、使用場面が重なることが多いため、オーディオファイル (AF) 機能を取り込んだ機種(ビデオ・オーディオ・ファイル、VAF)に置き換えられつつある。また、かつて簡単なCMを表現する用途に使われていた経緯や、実現するための技術が似通っていることから、2000年代に入り、CMバンクに統合したものや、さらに番組バンクに統合したものが次々開発され、地上テレビ放送のデジタル化を機に導入されている。
ビデオファイルは、主調整室では提供やタイトル表示、おことわり等の各種スーパー等に使われ、副調整室ではコーナー表示等の各種スーパーに使われる。ただし、副調整室ではリアルタイムに番組を構成する必要があることから、バンクシステムによらずCG生成機から直接画面を送出する方向(もしくは、CG生成機が簡易的なバンクシステムの機能を内包する方向)に進みつつある。
ビデオファイルの送出機能は、番組バンクやCMバンクで実現される機能を一部含んでおり、例えば音声付き動画の送出等、他のバンクシステムによって運用される場合もある。ただ、これらバンクでは高機能なスーパーを運用することが想定されていないものも多く、またビデオファイルは長時間の動画保存を想定していない傾向にあるため、現代のテレビ送出ではお互いに完全に代用とはならず、仮に代用とする場合は何らかの制約を含んで運用されることになる。