ファーム (愛媛県)
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ファームは、日本において農業公園(ファームパーク)と称されるテーマパークを運営している会社。日本国内各地で21のファームパークを運営している。運営形態は、施設ごとに地元自治体と運営会社として第三セクターを設立し、運営する場合が多い。
[編集] 沿革
同社の久門渡社長(昭和14年生)は、愛媛県西条市南部の畜産農家出身で農業を継ぐ予定であったが、高校卒業を前にして父親が亡くなり、農地は人手に渡ったため、地元の建設会社に就職した。若くして建築資材販売会社を起こして独立、事業を広げ、ガソリンスタンドやスーパーマーケットなども手がけた。当時の社名は「西条金属」であった。
1986(昭和61)年に父親の農地を買い戻す形で、ファームパークの第1号「高原牧場市倉ファーム」を開設した。これが同社のファームパークの原点となっている。続いて1987年(昭和62年)には「四国ニュージーランド村」等を開設した。その後、過疎、雇用の場の確保、農地の活用に悩む過疎自治体から注目され、広島県高宮町(現:安芸高田市)の「虹の家族村」など自治体とのタイアップが多くなった。地権者等の合意取り付け、とりまとめ、用地買収・進入道路等の基盤投資は地元自治体が行い、当社がノウハウを生かした施設を設置するパターンである。 開発に際して、自然を生かし、手を入れずローコストなのが特徴である。テーマパークはライドパークと称されるように有償の「乗り物」がやたらと多いのが通例であるが、当社のファームパークには電動の「乗り物」はほとんどなく、動物とのふれあいなど、小さい子どもの居る家族が屋外で一日楽しめる施設をコンセプトとしている。ただ、変化が乏しく「つまらない」との評もある。
さらに、2005年頃からは指定管理者制度の導入に伴い、同社のファームパークが近傍施設の指定管理を引き受けるケースも出ている。ただし、ぐんまフラワーパークの運営をめぐって、労務問題が指摘され、さまざまな問題が発生し群馬県議会で取り上げられるなど、社会問題化している。
また、同社は現在ではファームパークを全国展開しているが、西条市内でも決して長い業歴を有する企業ではなく、新興企業の一つであり、地元の受け止め方は好意的なものばかりではない。
[編集] 会社概要
- 西条商工会議所会頭を兼ねる
- 関連会社 サイジョウ、共和観光開発(ゴルフ場)など
- 各地のファームパークはそれぞれ運営会社を設立している。
[編集] 運営している施設
施設例
- 「市倉ファーム」(愛媛県西条市)
- 「石鎚チロルの森」(同)
- 「四国ニュージーランド村」(香川県仲多度郡満濃町)
- 「虹の家族村 広島ニュージーランド村」(広島県安芸高田市)
- 「岡山農業公園 ドイツの森 クローネンベルク」(岡山県赤磐市)
- 「赤城高原牧場クローネンベルク」(群馬県赤城山麓)
- このほか岩手県、長野県、滋賀県、京都府、兵庫県、山口県、長崎県にも施設を有す。
- 岐阜県「日本昭和村」(美濃加茂市)運営委託
- 横須賀市「長井海の手公園」(株式会社横須賀ファームにて指定管理)
- 群馬県「ぐんまフラワーパーク」(株式会社ぐんまフラワー管理にて指定管理)