フクロウナギ
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フクロウナギ | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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英名 | ||||||||||||||||||
gulper eel もしくは pelican eel |
フクロウナギ (英 Pelican eel もしくは Gulper eel)は、フウセンウナギ目・フクロウナギ科(Eurypharyngidae)に分類される魚。現在までに知られているのは1属1種のみで、フクロウナギ Eurypharynx pelecanoides Vaillant, 1882 のみが知られる。属名は eurys(ラテン語:長い)+pharynx(ギリシャ語:咽頭)で、長い"喉"を表したもの。属名からユーリファリンクス、あるいはマクロファリンクスと呼ばれることもある。種小名の pelecanoides は「ペリカンのような」の意で、もちろん口の形状からの命名である。
全長75cmほどで、口は非常に大きく良く開き、自分よりも大きな獲物でも飲み込むことが出来る。両顎には微小な歯が生えており、目は小さく頭の先端近くにある。背びれの起点は頭部にあり、尻尾は長く細く、先端に発光器がある。これをルアーのようにして餌をおびき寄せるのではないかとも推定されいる。外鰓孔は小さい。餌は主に甲殻類や魚類、頭足類などであると言われるが、プランクトンなども食べると考えられている。
大西洋、インド洋、太平洋の温帯から熱帯域の水深500m-7500mに見られる深海魚で、日本では宮城県~高知県などの太平洋側で見られるが、特に小笠原諸島近海の水深1200m-1400m付近では比較的普通に見られるという。
他のフウセンウナギ目の魚と同様、接続骨、鰓蓋骨、鰓条骨、鱗、肋骨、幽門垂、鰾(うきぶくろ)などを持たない。ウナギ目と同様にレプトケファルス幼生(葉形幼生)期を経る。その奇妙な形態からかつては硬骨魚類ではないと考えた学者もいた。近年行われた DNA 解析では、ウナギ目内部に分岐し、ウナギ科に近縁であることが示唆されており、フウセンウナギ目をウナギ目の亜目とすることもある。