ヘン・サムリン
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ヘン・サムリン(hĕng säm´rĬn、1934年 ‐ )は、カンボジアの政治家。国民議会(下院)議長。カンボジア人民党名誉議長。
[編集] 概要
1976年から1978年までクメール・ルージュ軍の第四歩兵大隊の指揮官および政治委員。1978年にポル・ポトに対するクーデターを企てるが失敗に終わり、ベトナムに逃亡。ベトナム国内で1978年12月に結成されたカンボジア民族救国統一戦線の議長に就任し、ベトナム軍とともにカンボジアに進撃し、1979年1月7日のプノンペン陥落後、人民革命評議会の議長となり、「カンボジア人民共和国」の樹立を宣言、またカンボジア人民革命党を再建し、その書記長となった。
議長就任後もタイ国境でクメール・ルージュおよび他勢力からの武力抵抗に直面したほか、ベトナム軍の支援を受けた政権として多くの国から政府承認を得られず、国連の議席もクメール・ルージュらの「民主カンボジア」に握られたままであった。その後党書記長の地位をペン・ソバンに譲ったが、後に復活した。1991年10月のパリ和平合意によってカンボジア最高国民評議会が成立すると、「カンボジア国」(1989年に「カンボジア人民共和国」を改称)国家元首の地位を退いた。
フン・セン首相下で表舞台から退いていたが、2006年に下院議長に就任した。カンボジア人民党名誉議長を務めている。