ボストーク湖
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ボストーク湖(ボストークこ)は南極大陸に存在する氷河湖である。湖はロシアのボストーク基地に近い、南緯77度、東経105度地点の氷床下約4000mにある。最も広い場所で幅40km、長さ250kmに達し、二つの水盆(水深の深い場所)に分かれている。水深は、水盆を分断する尾根の部分で約200m、北側の水盆では約400m、南側の水盆では800mと見られている。湖の総面積は1万4000km2に達する、これは、琵琶湖の20倍以上の面積である。総貯水量は5400km3で、淡水であると推測されている。
平均水温は-3度で、これは一般的な水の凝固点を下回っている。地球で最も寒い場所に液体の水が存在する理由は、湖底が地球内部からの熱(原子核の放射性崩壊)によって暖められているからという説が提唱されている。また、分厚い氷床が毛布のように断熱材の役割を果たしているとも考えられる。また、約5000年前に終わった温暖な時期に氷が溶けた後、全てが再び凍り付く途中であるという説もある。4つめの仮説として、湖の上にのし掛かる氷床に圧縮されているために凍ることが出来ないという説が考えられている。
1998年にボストーク基地で研究を行っていたロシア、フランス、米国の共同チームが、世界で最も深い場所である深度3628mの地点までコアの掘削と分析を行なった。湖の頂上付近で採取されたコアから得られた氷のサンプルを分析した所、その氷は約42万年前の物だと分かった。その事は、湖が50万年から100万年に渡って氷に封印されていた事を暗示している。現在、コアの掘削は湖水の汚染を防止するために、氷床と湖水の境界面まで120mの地点で停止されている。
2005年4月ドイツ、ロシア、日本の研究者によって、湖に潮汐があるがわかった。太陽と月の位置によって、湖の表面は1、2cm上昇する。湖の表面の変動には微生物の生存に必要な、水を循環させ続けるポンプの効果があると推測される。
2005年5月、湖の中央に島があることがわかった。
2006年1月、コロンビア大学の研究者がボストーク湖よりも小さい湖を氷の下に2つ見つけたと発表した。