ボディトレーニングシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボディトレーニングシステムは、スポーツクラブで行われている有酸素運動の1つ。エアロビクスに類似している。エアロビクスとの相違点は後述するが、何も知らない人には同じにしか見えない。
目次 |
[編集] 概要
ニュージーランドに本社を置く、「Les Mills International」が考案し、世界中に発信しているフィットネスプログラム。
日本ではコナミスポーツクラブが総代理店であり、コナミスポーツクラブの看板プログラムでもある。このプログラムは同業他社にもライセンス単位で販売しているため、地方のスポーツクラブでボディパンプやボディコンバットを取り入れているところもある。
海外では「レスミルズプログラム」と呼ぶ場合もある。日本においても、2007年1月から「レスミルズプログラム」に名称変更される予定。
2005年現在、世界55カ国で展開されていて、400万人/週の参加者があると言われている。(レズミルズ公式HPから引用) 全部で7つのプログラムがあるが、現在日本では、後述する6つのプログラムが展開されている。 BODYJAMは2006年秋より日本でも一部の店舗にて導入された。
[編集] 特徴
BTS全てのプログラムの共通点として、高強度、低難度であることが挙げられる。
[編集] 所要時間と構成
[編集] テック(10分~30分)
ラインナップ:ボディパンプ、ボディコンバット、ボディステップ (使用例:ボディステップテック【プログラム名+テック】)
初心者が怪我をしないようにするため、また正しい姿勢で運動を行うことで、運動効果を高めるために実施される。
[編集] ショートショート(15分)
ラインナップ:ボディパンプ (使用例:ボディパンプショートショート【プログラム名+ショートショート】)
ボディパンプ全10曲から3曲分を選んで行うクラスである。初心者向けである。公式ホームページにはこのクラスの記載はなく、BTSJ本部がこのクラスを正式なものと認めているかどうかは不明である。
[編集] ショート(30分)
ラインナップ:ボディパンプ、ボディコンバット、ボディステップ、ボディアタック、ボディヒーリング、ボディバイク (使用例:ボディアタックショート、ボディアタック30【プログラム名+ショート、プログラム名+30】)
BTSプログラムを初めて受講する初心者向けのプログラムで、マスタークラスから30分になるように曲を選んで行うクラスである。初心者向けなので運動強度が弱いと思われるが、元々運動強度が高いボディアタックはショートクラスでもきつい。
[編集] 45(45分)
ラインナップ:ボディパンプ、ボディコンバット、ボディステップ、ボディアタック、ボディヒーリング (使用例:ボディコンバット45【プログラム名+45】)
BTSプログラムのショートクラスが慣れてきた中級者向けのプログラムで、マスタークラスから45分になるように曲を選んで行うクラスである。ショートクラスがない場合は、初心者はこのクラスから受けることが多いので、初心者・中級者対象となるプログラムもある。(例:ボディコンバット)
[編集] マスター(60分)
ラインナップ:ボディパンプ、ボディコンバット、ボディステップ、ボディアタック、ボディヒーリング、ボディバイク (使用例:ボディヒーリング【プログラム名】)
各プログラムのすべての曲を行うクラスである。ちなみに各プログラムに使用されている音楽を一度も止めずにぶっ通しで行うと55分になる。本家 (Les Mills International) ではそのようにしているらしい。
[編集] 各プログラムの内容
[編集] ボディパンプ
- バーベルを用いたプログラムであり、全身の筋肉をバランスよく鍛えられるのが特徴
- ウォーミングアップ、スクワット、チェスト、バック、トライセプス、バイセプス、ランジ、ショルダー、アブドミナル、クールダウンの全10曲構成
- バーの重さは、端の部分にある色で区別されていて、赤が2.3kg、黒が2.0kg
- ウエイトには3種類あり、1kg, 2.5kg, 5kgがある(海外には10kgあり)
- バーベルは最大で5kg x3枚装着可能(両側で6枚=30kg)
[編集] ボディコンバット
- 格闘技の動きをベースにしたプログラムである
- 主にキックボクシング、テコンドー、空手、ムエタイ、ボクシング、太極拳の動きが取り入れられている
- ウォーミングアップ(上下)、コンバット1、パワー1、コンバット2、パワー2、コンバット3、ムエタイ、パワー3、筋力コンディショニング、クールダウンの全10曲構成
- コンバットトラックはパンチとキックを含めた動き、パワートラックはパンチのみで構成された動き
- BGMにゴング音やパンチ、キックなどの衝撃音が効果音として、編集されたものを使用されていたが、BC15を境に中止。(但し南米など規制の緩い国では効果音バージョンを使用)
[編集] ボディステップ
- 通常のエアロビクスステップと違い、高強度な構成(アタックよりは低い)
- 段の高さを変えることで強度を調整出来るという利点があり、自分のペースで参加しやすい
- 難易度は、足の運び方のバリエーションが多いため、見た目よりは難しいが、とても華やかな雰囲気を持つクラスである
- また「意外に運動しながら頭を使う」という感想を持つ人も多いようだ
- ウォームアップ、ステップウォームアップ、ステップオリエンテーション、ステップアスレチック、ミクストストレングス、パワーピーク、ステップリカバリ、パーティステップ、スピードステップ、ピーク、リカバリ、クールダウンの全12曲構成
[編集] ボディアタック
- 通常のエアロビクスに最も近い内容である
- しかしハイレッグキックのような、最近のエアロビクスではあまり使われない動きも多い
- シンプルなハイインパクトエアロなので、ダイエットや心肺機能向上、スポーツ競技の基礎トレーニングに向いている
- 運動強度が非常に高い為、エアロビクスヘビーユーザーに推奨されている
- ドイツ・オーストリアでは商標上の関係でLMIステップと称されている
[編集] ボディヒーリング
- ヨガ、太極拳、ピラティスなどをベースとした静的プログラムである
- バランス能力や基礎筋力の強化に向いている
- 他のプログラムと違い心肺機能が高くない高齢者にも向いている
- 日本独自の呼称であり、「Les Mills International」では「ボディバランス」と呼ばれている。またアメリカでは「ボディフロー」と呼ばれている。いずれも商標等の関係のため
- タイチーウォームアップ、サンサルテーション、スタンディングストレングス、バランス、ヒップオープナーズ、コアアブドミナル、コアバック、ツイスト、フォワードベンド・ハムストリングス、リラクゼーション、メディテーションの全11曲構成
[編集] ボディバイク
- 固定式自転車を使用したプログラム
- 音楽に合わせて、テンポ、負荷、姿勢を変えながら自転車をこぎ続けるプログラム
- 負荷を重くした状態では、運動量が全BTS7アイテムの中で一番きつい
- 負荷を軽くして行えばサイクリング程度の運動量なので、初心者・高齢者にも向いている。その一方、負荷を重くすれば本格的アスリートにも充分な高強度の運動量が得られる
- ひざや腰などにスポーツ障害が発生する危険を抑えられるので、初心者や怪我の後のリハビリなどに向いている
- 採用している店舗が少ない
- 有料プログラムであることが多い
- 日本独自の呼称であり、「Les Mills International」では「RPM」と呼ばれている。商標等の関係のため。ただし、近い内にRPMという呼称になる。[要出典]
[編集] ボディジャム
- 日本では、2006年9月よりスタートしたプログラム。HIPHOPなどの曲をベースに踊りながら心肺機能の強化を行う。
- 左右対称の動きが中心のほかのプログラムと違い、左右異なる動きなど初心者泣かせのプログラムである。
[編集] エアロビクスとの相違点
- コリオ(レッスンの振り付け)はエアロビクスの場合、各インストラクターが独自に考案する。BTSJの場合は、「Les Mills International」が一括で考案し、世界に広めている。この為、レッスン品質においては、エアロビクスはインストラクター個人に依存する為、同じレッスンでもインストラクターにより大きく相違するが、BTSJの場合は一定レベルの品質が確保される。
- どのレッスンにおいても、コリオと音楽は密接不可分な関係にある。(参照:レスミルズジャパン曲リスト)エアロビクスでは、コリオが変わっても音楽が同じ事はしばしば見られるが、BTSJでは完全に音楽とコリオが一致しており、曲調が変わるところでコリオも変わる。
また「決めのポーズ」が存在する事が多く、ボディコンバットなどでは、空手の正拳突きの構えを取った瞬間に音楽が終わったりするので、ピッタリ決まると自分がカッコヨクなった錯覚を感じる事ができる。これは楽しみ方の一つである。
- コリオは「Les Mills International」によってほぼ3ヵ月毎に更新される。一方エアロビクスでは各インストラクターが任意に更新する。コリオ作成に当たっては、エアロビクスインストラクターの他に医師、理学療法士、運動生理学者などが担当するので、運動理論から見ても理にかなった動きが多い。担当者たちを総称して、「コリオグラファー」と呼ぶ。
各アイテムの2006年3月時点までのリリース済みナンバーは BP24~57(26除く)、Launch Mix-One、MAX1、MAX2 BC1~27(2、3除く) BS43~63 BA34~52(35、36除く) BH14~32(15除く) BB13~30
- コリオはエアロビクスと比べて簡単なものが多いが、運動強度は高い。エアロビクスはマラソン等の他有酸素運動の熟練者でも動きを覚えるまでには苦労するが、BTSでは簡単なものが多い為、運動能力に自信があれば容易に参加可能。
[編集] ライセンス制度
- BTSレッスンに参加する場合、ライセンス等は全く必要ない。
- インストラクターになろうとする場合、「Les Mills International」が認定するライセンス試験に合格する事が必要。この試験に合格した者を「インストラクター」と呼称する。
- インストラクターがさらに研鑽を積み、インストラクターを指導する立場になった者を「トレーナー」と呼称する。
- トレーナーを指導する立場にまで到達すると、「マスタートレーナー」と呼ばれる。本国ニュージランドで認定をもらう必要があり、日本には十数人しかいない。
- インストラクターになるためには、マスタートレーナーからの認定が必要であり。日本導入時にはもちろん、国内にMTがいないため、本国ニュージーランドにて、インストラクターの認定をもらう必要がある。
そして、トレーナーライセンスをへて、マスタートレーナーの認定をもらってから初めて、国内でインストラクターの認定ができるようになる。 昨年、BODYBIKEの初のマスタートレーナーが認定された。
- トレーナー、マスタートレーナーは、一般のBTS利用者からは、芸能人的な扱いを受ける事が多く、コナミスポーツクラブも営業戦略として利用している。それが後述する、BTSJツアーである。
[編集] ツアー
コナミスポーツクラブでは、年に2回程度「BTSJツアー」なるものを実施する。芸能人が行う、全国縦断コンサートと類似した物である。 トレーナー、マスタートレーナーがインストラクターを行うレッスンである。一般のファンはトレーナー達のレッスンを受ける事が滅多にない為、中には東京のイベントに関西から参加するファンもいる。
ニュージーランドの「Les Mills International」まで行ってBTSを行うツアーも存在する。 これは本国現地のレッスンを受けるためのものだ。
ツアー限定のグッズ(Tシャツなど)が販売され、これを買う為に徹夜で並ぶファンも珍しくない。 ヤフーオークションなどでも高値で取引される事が多い為、転売目的のファンも多い。 最近行われたツアーでは、8時間並んでも買えない客も現れるなどの問題が出始め、関係者の対策が望まれる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 健康法 | トレーニング法 | スポーツ関連のスタブ項目