ポリカーボネート
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ポリカーボネート(Polycarbonate)とは、熱可塑性プラスチックの一種。様々な製品の材料として利用されている。
モノマー単位同士の接合部は、すべてカーボネート基(-O-(C=O)-O-)で構成されるため、この名が付けられた。
ドイツのバイエル社が開発した。ポリカーボ、ポリカと省略される事もある。
原材料のビスフェノールAが内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)として注目を浴びたが、人体への悪影響は小さいだろうという見方も多い。
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[編集] 物性
- 密度:1.20 g/cm3
- 可用温度: −100 °C to +135 °C
- 融点:約250 °C
- 屈折率: 1.585 ± 0.001
- 光透過率:90% ± 1%
[編集] 製法
ビスフェノールAと塩化カルボニル(もしくはジフェニルカーボネート)を原料として生産される。塩化カルボニルを用いる場合は、界面重縮合でポリマー化される。また、ジフェニルカーボネートを用いる場合は、エステル交換による重合で合成される。
[編集] 利点
軽量さ・耐衝撃性・耐熱性・不燃性・透明度の高さといった点において、他の合成樹脂よりも優れている。
[編集] 欠点
以下のような弱点がある。
- 薬品耐久性はあまり良いとは言えない。特にアルカリ剤、溶剤では劣化する。接着剤などの使用ができない。
- エステル結合を持つ為、高温高湿度の環境下では加水分解する。
- 引張強度を超える力をかけると、白化して透明度が著しく低下する。
[編集] 製品例
- CDやDVD
- 光ファイバー
- サングラスやメガネ、ゴーグル
- 哺乳ビンや食器
- 航空機の窓(旅客機の客室窓など)
- 家電製品
- 医療機器
- 建築材料
- 盾(主に警察用)
- ラジコンカー、ミニ四駆のボディ
- 双眼鏡
- スーツケース
- 包装用または光学フィルム
- 自動車、オートバイ等の輸送機器のウインカーやテールランプ等の各レンズ類
- オートバイ用ヘルメットの帽体・バイザー
[編集] その他
強度についてのエピソードとして映画『ターミネーター』でアーノルド・シュワルツェネッガーがかけていたサングラスのメーカー、ガーゴイル社では、同製品は散弾銃や.22程度の小口径拳銃(散弾銃を使用した場合、12ゲージ00バックショット弾や12ゲージスラッグ弾ではサングラスごと吹き飛ぶ可能性があるので、その銃の口径や装弾の種類に大きく依拠する。また、22口径の拳銃に関しても、殊に".22ロングライフル弾"を使用するけん銃にほぼ限られると考えられる。)であれば撃たれても貫通しない、というのが謳い文句であった。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 自然科学関連のスタブ項目 | 合成樹脂