マーヴィン・ピーク
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マーヴィン・ピーク(Mervyn Laurence Peake、1911年7月9日 - 1968年11月17日)は、イギリスのファンタジー作家、画家、詩人、イラストレーター。
『ゴーメンガースト三部作』として知られるシリーズで有名だが、この『ゴーメンガースト』シリーズは、本来ならば「タイタス・シリーズ」と呼ばれるべきものである。書き上げられた4作品は、ピークが長編シリーズとして構想したものの始まりに過ぎない。主人公タイタス・グローンの生涯を描く続編が予定されていたが、ピークの死によりシリーズは未完に終わり、現在では一般には三部作とみなされている。同時代のJ・R・R・トールキンの作品と比較されることも多いが、ピークの超現実的なフィクションは若い頃に愛読したチャールズ・ディケンズやロバート・ルイス・スチーブンソンの影響を受けたものであり、トールキンの神話学や言語学の研究の影響を受けているわけではない。
その他にピークが書いたものには、数々のナンセンス詩、子供向けの物語(『行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙』)、ラジオ・ドラマ、 'Mr Pye' (比較的綿密に構成された小説で、作品名の由来となった主人公の福音主義的な主張や気楽な世界観を、神が暗に嘲笑するというもの)などがある。
ピークは最初、1930年代から1940年代に画家およびイラストレーターとして名をなした。当時のピークはロンドン在住で、しばしば著名人の肖像画の制作に起用された。ピークの家族は今もこのときのスケッチを所持している。生前にはそれほど有名になったわけではなかったが、ピークの作品は同業者やピークの友人(ディラン・トーマスやグレアム・グリーンら)からは高く評価されていた。ピークの作品は現在ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーや帝国戦争博物館に所蔵されている。