メガラニカ
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メガラニカ(黒瓦臘尼加)、ないしはテラ・アウストラリス・インコグニダ(羅 Terra Australis Incognita、南方の未知の大陸)は、かつて南極を中心として南半球の大部分を占める面積があると推測された伝説上の大陸のことである。
[編集] 考えの起源
古代ギリシアにおいては、既に知識人の間で地球球体説が唱えられていた。だが、当時知られていた大陸は全て北半球に偏っており、安定性が悪いように見えた。そのため、南半球にもそれと釣り合いが取れるだけの巨大な陸地が存在するという考えが生まれた。
[編集] 否定に至るまでの経緯
この大陸の伝説は長く信じられ、近世に刊行された世界地図にも南極を含む巨大な大陸が掲載されていることは多かった。
大航海時代になり、南半球の調査がようやく行われるようになった。当初は、現在のニュージーランドやオーストラリア大陸もメガラニカの一部ではないかと見られていたことがあったが、オーストラリアが南極圏に及んでいないことが分かるにいたって、メガラニカの存在は否定されることになった。
なお、現在のオーストラリアという名前はこのテラ・アウストラリス・インコグニダから取られている。また20世紀になると南極大陸も発見されるが、これはメガラニカと直接の関係はない。