メクラヘビ
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?メクラヘビ上科 | ||||||||||||||
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ホソメクラヘビ科の一種 Leptotyphlops humilis |
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メクラヘビはメクラヘビ上科 Typhlopoidea に分類されるヘビの総称。
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[編集] 特徴
メクラヘビは、地中生活に適応しており、一見ミミズのような外観を持ち、土壌中に潜り込んで生活している。他のヘビが餌を飲み込むために上下顎が大きく開くのが特徴であるのに対し、メクラヘビの仲間は餌が小さいこともあり、口は小さい。眼は、実際にははっきりとした形で存在するが、ごく小さく鱗の間で目立たなくなっており、外見上は眼がないように見える。また、それ以外の鼻や口なども目立たない形になっており、ミミズのような外観を助長している。成長しても20cm前後と小型で細長く、体幹の太さも頭から尻尾までさほど変わらず、尾は非常に短い。これらの事は、地中生活への適応と考えられる。土壌中に営巣しているアリやシロアリの巣を襲い、アリの幼虫や蛹、シロアリの成虫、幼虫を捕食する。
[編集] 分類
メクラヘビの仲間は3科に分けられている。
- メクラヘビ科 Typholopidae MERREM, 1820
- アメリカメクラヘビ科 Anomalepididae TAYLOR, 1939
- ホソメクラヘビ科 Leptotyphlopidae STEJNEGER, 1891
[編集] 日本のメクラヘビ
日本では単為生殖をするブラーミニメクラヘビ (ミミズヘビ)Ramphotyphlops braminus (Daudin, 1803) が外来種として進入・定着している。温暖で湿潤な気候の南西諸島や伊豆諸島、小笠原諸島にかなりの個体数が生息しているが、地表にめったに姿を現さないこともあって見かけることは稀である。進入経路は観葉植物の商業的栽培など植物の移出入時に、植木鉢内や根の周りの土壌に潜入して持ち込まれたと考えられている。
上記の地域では石や落ち葉の下・畑の土中などを探せば見つけることができ、多くの大型土壌動物と同様に、側溝に落ちたまま上がれなくなって囚われた状態になっている個体を見る事も多い。干からびて死んだものは針金そっくりである。
生きたものは非常にミミズににている。つかまえるとミミズのように体をくねらせる。
[編集] 余談
1980年代前半の事であるが、沖縄の某大学教育学部の生物学実験でミミズの解剖を行なう際、誤ってメクラヘビを解剖するという珍事があった。ミミズの解剖を行なう際には、まずミミズをバットの中の水に入れ、アルコールを滴下して麻酔する。ミミズはこれで体を真っ直ぐにしてに動かなくなるのだが、ある班のミミズだけはいつまでも体をくねらせ続け、アルコールを増やしても動きを止めなかった。やむを得ず両端を針で固定しようとしたが、体をくねらせて針をはじいた。更に強く押さえて、無理やり針を固定し、体にメスを入れたところ、脊椎があったので、初めて過ちに気がついたとのことであった。
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