メレテー
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メレテー (ギリシア語:Μελέτη、Melete)は、ギリシア神話の女神で、「古きムーサ」とも呼ばれる、三柱のムーサのなかの一人である。他の女神は、アオイデーとムネーメーである。
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[編集] ホメーロスとヘーシオドス
ホメーロスは、ムーサを一柱の詩の女神として呼びかけ歌っている。これが本来の姿であったとも考えられる。他方、ムーサたちの数を9人とし、その名を具体的に列挙したのは、ヘーシオドスで、『テオゴニア』においてその名を述べている。しかし、詩人の文学的構成とは別に、古代ギリシアの各地に古くから伝わっていた伝承では、ムーサの数はカリスやモイライと同様に3柱とされていた。
[編集] アルクマアンの言葉
紀元前7世紀の古代ギリシアの抒情詩人アルクマアンは、ムーサたちが三柱で、その父と母は、ヘーシオドスが述べるように、ゼウスとムネーモシュネーではなく、ウーラノスとガイアであると述べたと古注に記されている。従って、これらのムーサたちは、オリュムポスの芸術神ではなく、むしろティーターニデスの女神である。
[編集] パウサニアスの記録
現代のギリシア神話研究者であるロバート・グレイヴスは、ムーサを「ヘリコーンの山の女神」としている。ヘーシオドスが霊感を受けたのはこの「山の女神」からであった。ムーサへの崇拝は、ヘリコーン山が本拠で、そこから少し西進した位置にアポローンの聖地であるデルポイがありパルナッソス山がある。ムーサたちは、この地で大いに芸術を披瀝し神々はそれに陶酔したとされる。
パウサニアスもまた『ギリシア案内記』で、ムーサたちの父はウーラノスであると記しており、更に、三柱のムーサの名は、メレテー、アオイデー、ムネーメーであるとしている。こうして、メレテーは「古きムーサ」の一人の名である。その名の意味は「演出」であり、そこから一柱の女神の「芸術の具体化を司る」面が、この女神であると考えられる。
[編集] 小惑星の名として
1857年に発見された小惑星56番は、この女神の名よりメレテと命名された。
[編集] 参照文献
- ホメーロス 『オデュッセイア』 岩波文庫
- ヘシオドス 『神統記』 岩波文庫 /53-79行/
- ロバート・グレイヴス 『ギリシア神話』1960年決定版 紀伊國屋書店(1998年新版・一巻本) /13章4/
- 呉茂一 『ギリシア神話』 新潮社(1969年版) /148-149頁/
[編集] 外部リンク
- ティーターニデスのムーサイ [英語]
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