モンスターメーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モンスターメーカーは、1988年に翔企画で発売されたカードゲーム。それを第一作とする一連のカードゲームシリーズ、およびこれらとキャラクター・世界設定を同じくするボードゲーム・コンシューマゲーム・コミック・小説などの一連の作品群を指す。作品群については「モンスターメーカーシリーズ」と称することが多い。
翔企画社長の鈴木銀一郎が多くの作品についてゲームデザインを行い、各作品共通の世界設定や小説の執筆も行っている。また、ほとんどの作品について九月姫がキャラクターデザインを行い、関連のイラストやコミックも執筆しており、本シリーズの顔とも言うべき主要クリエイターとなっている。以下、作画の名が無い作品は全て九月姫による。
世界はファンタジーTRPGを基調としていて、登場するキャラクターもそういったファンタジーのキャラクターたちである。イラストの傾向と相まってユーモラスな雰囲気がある(登場するキャラクターについては、「モンスターメーカーの登場キャラクター」を参照)。しかしながら、作品の展開が進むに連れて、設定が明確にされて本格的なファンタジー作品のように変わっていった。
目次 |
[編集] カードゲーム
筆頭タイトルを含む以下の12作が翔企画より1980年代に展開されたが、現在は全て絶版。その後リバイズドシリーズが発売されている(後述)。
- モンスターメーカー
1988年発売。鈴木銀一郎がゲームをデザイン。カードのイラストには当時まだ無名に近かった九月姫が起用された。それぞれ名前と個性的な姿を持ったキャラクターがカラーで描かれており、これが人気を呼んだ。本作は日本における「イラスト入りRPG 風カードゲーム・ブーム」の嚆矢となり、追随作品を多く生むことになる。古典的なカードゲームミルボーンに良く似たゲームで、ダンジョン内をどれだけ進んだか(あるいは戻ったか)を表す距離カードを場に出していき、ダンジョンの奥で宝を手に入れてから無事に戻ることを目的とする。途中、モンスターやトラップなどの妨害カードで他プレイヤーの前進を妨害でき、相手はこれを戦士や魔法使いなどのキャラクターカードで排除する。
- マジックマスター
鈴木銀一郎がモンスターメーカー1のキャラクターを見ながら想像したという、王位継承権を競うゲーム。能力値が1つから4つに増えるなど、全体に複雑さを増しており、短時間でプレイできたモンスターメーカー第1作とは対照的に、通常のマルチプレイヤーズゲーム並の難易度となった。また、イラストについてもキャラクターの等身が引き上げられている。これ以後に発売されるモンスターメーカーシリーズの製品はいずれももっと簡潔なルールとなっており、本作は例外的に「重い」ゲームであった。マジックマスターはモンスターメーカーの姉妹シリーズとなり「マジックマスター2」「マジックマスター3」まで発売されたが、2以降はモンスターメーカーの設定と無関係である。
- モンスターメーカー2 ドラゴンバスター
シリーズ化を意識した初の作品で、パッケージデザインも描き下ろしとなった。ゲームの目的はタイトル通りドラゴン退治で、多数の武器や魔法が個別にカード化されているのが特徴。本作のゲームデザインは、鈴木銀一郎&中黒靖。
- モンスターメーカー3 日本妖怪
日本の妖怪を退治するというゲーム。世界が西洋風ファンタジーでなくなったので、キャラクター・モンスター共にほとんど新規のものとなったが、それまでのモンスターメーカーのキャラクターも一部は(名前を当て字にして)登場していた(モンスターメーカーの登場キャラクター参照)。
- モンスターメーカー4 4つの神秘(エレメント)
4つのエレメント(元素)、火・水・土・風の秘宝争奪戦。プレイヤーはキャラクターカードとそれに使役されるモンスターのカードのセットを出して戦う。キャラクターは魔法でモンスターを使役する術者なので、魔法使いとエルフだけで戦士などはいなかった。従ってこれまでに登場したキャラクターだけでは不足であるため、新キャラクターが大量に登場することになった。なお、エルフについて特別ルールがあったが、エルフかどうかカードに明記されておらず絵を見て判断しなければならなかったことが一部で問題となった。ゲームデザインは、鈴木猛。
- モンスターメーカー5 ソフィア聖騎士団
シリーズで初めて集団戦闘を扱ったゲームで、複雑さは「マジックマスター」に次ぐ。この製品より、HOBBY JAPANと翔企画の提携作品として「JAS システム」のマークが入った。
- モンスターメーカー学園
同じキャラクターを用いながら、ファンタジーではなく学園ものに替えた作品。ゲームの目的は男女のカップル作りで、キャラクターカードが大量に必要となるため、それまでシリーズに登場した全キャラクターでも数が足りず、本作で初登場したキャラクターもいる。
- モンスターメーカー学園祭
続けて登場した学園ものだが、ルールはさらに簡略化されたものとなった。またこの頃は商業・同人を問わず同一寸法のカードゲームが多数発売されたが、「天下無兵かあどげえむ」から、ほぼ同時期に同じシステムのゲームが発売されている(勿論キャラクターなどシチュエーションは全く違う)。
- モンスターメーカー学園 修学旅行
- モンスターメーカー6 7人の魔術師(スペルネームズ)
- モンスターメーカー7 プロフェシー(大預言)
- モンスターメーカー宇宙商人(スペース★トレーダー)
- カードゲームメーカー
カードゲーム自作用の白紙カードのセット。新しいゲームを考えたり、既存のカードに加えて使う。裏面はモンスターメーカーシリーズと同一。後述のリバイズド版にも同様の白紙カードが登場した。
- モンスターメーカー・リバイズド
1988年に発売された最初のカードゲーム「モンスターメーカー」の復刻新版。従来のルールに加え、デッキ構築戦用のルールが追加されている。2004年にHOBBY BASEと銀河企画の共同で発売された。 国際通信社発行の「RPGamer」誌の第6号以降に、モンスターメーカー・リバイズド用の追加スペシャルカードが毎号2・3枚ずつ掲載された。その後、スペシャルカードのうち9 枚は読者向けに製品化された。
- モンスターメーカー5・リバイズド ソフィア聖騎士団
「モンスターメーカー5 ソフィア聖騎士団」の復刻新版。従来のルールに加え、デッキ構築戦用のルールが追加されている。デッキ構築は、前記の「モンスターメーカー・リバイズド」のカードと併せて使うことができる。2005年にHOBBY BASEと銀河企画の共同で発売された。
[編集] トレーディングカードゲーム
モンスターメーカー世界をベースにしたトレーディングカードゲームであるリザレクションシリーズは、2001年からトレーディングカードゲームとしてエポック社、アークライトより発売されている。イラストは、主要キャラは九月姫が担当しているが多数の作家が参画している。後述のテーブルトークRPG「モンスターメーカーリザレクションRPG」は関連商品として発売されたもの。
- モンスターメーカーTCGリザレクション(2001年)
- モンスターメーカーTCGリザレクション・リバイズド(2003年)
- モンスターメーカーTCGリザレクション・ニュータイプ(2005年)
[編集] テーブルトークRPG
複数のシリーズが存在するが、同じモンスターメーカーの世界を背景としながら、それぞれの関係性は薄い。
- モンスターメーカーRPGホリィアックス
デザイナーは鈴木猛。富士見ドラゴンブックより発売(1992年)
-
- モンスターメーカーRPG ブルガンディ・ドリーム
- 『ホリィアックス』サプリメント(1993年)
-
- モンスターメーカーRPGリプレイ集1 ウルフレンドの冒険者
- 『ホリィアックス』リプレイ集(1993年)。著者(兼ゲームマスター)は藤浪智之。
-
- モンスターメーカーRPGシナリオ集1 テン・ダンジョン
- 『ホリィアックス』シナリオ集(1993年)
- モンスターメーカー学園RPG〈学園祭編〉
デザイナーは藤浪智之。汎用RPGシステム「マギウス」に基づくシステム。富士見ドラゴンブックより発売(1995年)
- モンスターメーカーリザレクションRPG
デザイナーは伏見健二。エンターブレインより発売(2002年)。
- モンスターメーカー戦記~ロード・トゥ・ヴァルハラ~
デザイナーは鈴木銀一郎。TRPGスーパーセッション大饗宴に掲載(2002年)。
- モンスターメーカーRPGレジェンド
上記の『モンスターメーカー戦記』をベースに新たにデザインしなおしたもの。デザイナーは鈴木銀一郎。国際通信社より発売(2005年)。
[編集] ボードゲーム
- モンスターメーカー ダンジョンウォーズ
ガンダウルフ、ルフィーア、ヴィシュナス、リンクのメタルフィギュア付。
- モンスターメーカー ダンジョンウォーズ2
1が魔術師編だったのに対し、2は戦士編。3はエルフ編が予定されていた。
- モンスターメーカー デーモンスレイヤー
- モンスターメーカー ドラゴントレジャー
- モンスターメーカー ドラゴンアタック
[編集] コミック
- モンスターメーカー・サガ(アスキーコミックス)
初出はモンスターメーカー専門雑誌『RPGコミック』、後に『アスキーコミック』(のちのコミックビーム)に連載された。
- MONSTERMAKER学園!(アスキーコミックス)
モンスターメーカー学園世界を基礎としたコミック。
- モンスターメーカーD(アスキーコミックス)
厳密には「サガ」の続編ではないが、共通で登場するキャラクターが存在する。初出は『月刊コミックNORA』。
- タイトル調査中(コミックマスター)
4コマ漫画とショートページ漫画が一回づつ掲載された。
この他、アンソロジー4コママンガ集が存在する他、ブームのピーク時にはモンスターメーカーだけで4本も漫画が掲載され、九月姫以外の漫画家によるコミックも登場した程である。
[編集] 小説
- モンスターメーカー ドラゴンライダー〈上・下〉
- 嘲笑う石像―モンスターメーカー
- ナルド予言書―モンスターメーカー〈上・下〉
以上は著者:鈴木銀一郎。発行は富士見ファンタジア文庫 。絶版後に「ドラゴンライダー」と「ナルド予言書」は銀河企画から復刊された。復刊時のイラストは一般から募集。
- カードの国の大冒険
鈴木銀一郎をはじめとする複数作家のアンソロジー。発行は富士見ファンタジア文庫。
- 最後の竜戦士―モンスターメーカークロニクル
作:鈴木銀一郎。発行は電撃文庫。『ドラゴンライダー』の続編。
- リザレクション―モンスターメーカークロニクル
作:伏見健二。絵:下北沢鈴成。発行は電撃文庫。
[編集] ドラマCD
- モンスターメーカー 魔剣デスデリバーを探せ
ディアーネ:冨永みーな、ロリエーン:かないみか、ルフィーア:笠原弘子
[編集] コンピューターゲーム
- モンスターメーカー (GB)
カード王の謎に挑戦する
- モンスターメーカー 七つの秘宝 (FC)
暗黒に捉われたゾール神対光の子の物語
- モンスターメーカー2 ウルの秘剣 (GB)
前作より100年前の物語。ヴィーナ姫の冒険。ウルの秘剣を求めてのクエスト
- モンスターメーカー バーコードサガ (GB)
- モンスターメーカー3 (SFC)
- モンスターメーカー 闇の竜騎士 (PCE)
- モンスターメーカーキッズ 王様になりたい (SFC)
- モンスターメーカー4 フラッシュカード (GBA)
- モンスターメーカー4 キラーダイス(GBA)
- モンスターメーカー(PC-9801シリーズ)
[編集] デジタル・ノベル・ゲーム
- わたしはダレ?
[編集] フィギュア
コトブキヤ(寿屋)から880円で、原則として5種類づつ発売された。以下各シリーズ毎・発売順に並べている。カードゲームからという仕様を考え、テーブルトークRPGのコマとしても使えそうな大きさにまとまり、製品の入った箱も組み立て後、即クリアケースとして使用可能。
[編集] 通常のシリーズ
キャラ名の後のゲーム名は、ポーズを採用したゲーム名。なお商品毎にモンスターメーカーと表記すると冗長なので「MM」と略している。
|
|
|
[編集] 学園スペシャル
メアリとドラゴンのみ「モンスターメーカー学園祭」、他は全て「モンスターメーカー学園」から。
|
|
[編集] 予約特典
- ルフィーアの連れている猫(マジックマスター):ゲームボーイ版1作目の予約特典。
- ディアーネのメタル製楯:こちらも特典だが、何の特典か情報不明。
[編集] 1/12フィギュアシリーズ
こちらは1種類づつ発売。箱絵もポーズも描き下ろしで、等身が長く、殆ど省略されていた鼻も、鼻筋が通っている。
- ディアーネ
- ルフィーア
- ミリエーヌ
- サーラ
[編集] ココアにおまかせ
少女漫画誌「アップルミステリー」で、「とんでもドールあかねちゃん」に続き連載した作品。もちろんモンスターメーカーシリーズではないが、ルフィーアがレギュラー出演している。
[編集] その他
「RPGコミック」1号の鈴木銀一郎へのインタビューによれば、テレビアニメの企画も来ていたという。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: テーブルトークRPG | カードゲーム | 漫画作品 も | 月刊コミックNORA | コミックビーム | ゲームボーイ用ソフト | ファミリーコンピュータ用ソフト | スーパーファミコン用ソフト | PCエンジン用ソフト | ゲームボーイアドバンス用ソフト | ゲーム関連のスタブ記事 | コンピュータゲーム関連のスタブ記事 | 漫画関連のスタブ項目