ランチア・イプシロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

ランチア・イプシロンは、フィアット・オート社のランチア部門のプレミアム・コンパクトカーである。日本には正規輸入されていないものの、根強いファンが多い。

[編集] 初代

初代イプシロン

アウトビアンキ／ランチアY10に代わるスモールモデルとして、1994年にデビューした。フィアット・プントのプラットフォームを短縮、アプリリアなど伝統的ランチャのエッセンスを巧みに生かした、極めてモダーンでスタイリッシュな2ボックスボディを組み合わせた。ボディデザインを担当したのは元ピニンファリーナ、この時期はランチアのデザインセンターを率いていたエンリコ・フミアである。最大のセールスポイントは12色の標準カラーと100色まで及ぶオプションカラー“カレイドス”で、インテリアのアルカンターラ（人工スウェード）や本革のトリム／カラーと合わせて、膨大な選択肢から自分好みのイプシロンを選ぶことができ、さらにカレイドスから好みの色を選ぶと、注文から２週間以内に実車と同じ色に塗りあげたテッセラと呼ばれるレリーフがお客の手元に届き、選んだ色の具合をじっくり確認出来るというユニークな販売方法を採っていた。インテリアデザインは、アメリカ出身のデザイナー、グレッグ・ブリューが手がけたものであるが、清新なアイデアとセンスに溢れるものである。横置きで前輪を駆動するエンジンは、1.2リットルないしは1.4リットルの4気筒SOHCファイアユニットだが、1996年には1.2リットルのDOHC16バルブが追加されている。1.2リットル・シングルカム版ではCVTも選択できた。デビュー早々から大ヒットを収め、イタリアンデザインの健在振りを世界にアピールした。

[編集] 2代目（現行型）

2代目イプシロン (2002-2005年モデル)

2代目イプシロン B-Colore (2002-2005年モデル)

2002年にフルモデルチェンジされた。ちなみに全幅は1720mmと1700mmを超えるので3ナンバーサイズである。トランスミッションは5速MTと2ペダルMTの‘‘D.F.N.’’が用意されている。 Aピラー、屋根、Cピラー、ハッチゲートとそれ以外のボンネット、サイドパネル、前後バンパーとを2トーンに塗り分けた、‘‘Bカラー’’が用意される。ベースシャシーは、フィアット・プントのそれをショートホイールベース化したものが用いられている。尚、イプシロンは、現行型も3ドアモデルである。

1.3 "Multijet"ディーゼルエンジン

EURO4対応のディーゼルターボエンジン「Multijet」が搭載されたモデルも輸入されている。

2代目イプシロン (2006年-モデル)

2006年、マイナーチェンジ。バンパーや塗色、インテリアカラーなど内外装一部変更。左右独立で温度調整可能なオートエアコンが標準装備となった。また、標準搭載のオーディオがMP3対応タイプに変更された。

[編集] 主要諸元

寸法／重量
- 全長×全幅×全高：3780×1720×1530mm
- ホイールベース：
- 重量：1140kg(1.4 16V) / 1180kg(1.3 Multijet)
エンジン(1.4 16V)
- 形式：直列4気筒
- 総排気量：1368cc
- 最大出力：70kw(95ps)/5800rpm
- 最大トルク：128Nm(13.0mkg)/4500rpm
- パワーウエイトレシオ：12.00kg/ps
エンジン(1.3 ディーゼルターボ "Multijet")
- 形式：直列4気筒
- 総排気量：1248cc
- 最大出力：66kw(90ps)/4000rpm
- 最大トルク：200Nm(20.4mkg)/1750rpm
- パワーウエイトレシオ：13.11kg/ps
駆動系統
- トランスミッション：5速セミAT(D.F.N) / 6MT(1.4 16V) / 5MT(1.3 Multijet)
- 駆動方式：FF