ランチア・テーマ
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テーマ(Thema)は、イタリアの自動車会社ランチア(フィアット傘下)がかつて製造したFF方式の乗用車。
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[編集] 概要
ベータ(Beta)とガンマ(Gamma)の後継車種として1984年に4ドアのセダン型が発売され、1986年にはワゴン型が追加された。1995年発表のカッパ(K)がテーマの後継車種となる。
テーマは、ランチア、フィアット、サーブの3社間のちにアルファロメオを加えた4社間(設計当初、アルファロメオはフィアットの一員に組み込まれていなかった)で基本的に同じシャシを使った中型セダンクラスの開発プロジェクト「ティーポ4」から生まれたものである。よって、フィアット・クロマ、サーブ9000、アルファロメオ・164とテーマは姉妹車と呼べる。
ワゴンは、イタリアのピニンファリーナが生産を受け持った。
ボディサイズは全長4590×全幅1755×全高1415(単位はmm)
[編集] 搭載エンジン
テーマを輝かせたのは、搭載された特徴あるエンジン群である。発売当初は2,000ccの直列4気筒エンジン(ターボモデルもあり)及び2,800のV型6気筒エンジンを搭載。そのまま製造が続けられれば特に目立たない4ドアスポーツセダンで終わったモデルが一躍脚光を浴びることとなったのは1986年、同じフィアット系列のフェラーリ・308GTB用のV型8気筒エンジンをデチューンし、FF車の狭いボンネットに無理矢理押し込めるように搭載したことによる。このモデルはテーマ8.32という名称で、日本でも1990年からマツダ系列のオートザム店で販売された。ただし、当時はバブル景気のまっただ中であり、エンジンだけに飽きたらず、本物のフェラーリを買う客が大勢いたために、注目は浴びても販売台数は伸びなかった。なお、1992年の最終モデルチェンジの際には、V6エンジンはアルファロメオ製となっており、こちらは別の固定客の心を掴んでいる。
[編集] デザイン
外装はジウジアーロが、内装はランチアチェントロスティーレ(ランチア社内デザイン)が、ワゴンの外装は、ピニンファリーナが担当。
1988年にイタリアのデザイン会社I.DE.Aによって小規模の変更が加えられた。
[編集] トピック
- オートザム店は、新興販売店網にありがちな小規模な修理工場上がりの販売店が多く、新車を販売するに当たっては整備体制への不安が語られたが、小規模な修理工場独特の頑固さでオーナーの苦情に対処し、走らせ続けた店が少なからずあったようである。
- テーマ8.32のステーションワゴンが1台だけ生産されたことがある。オーナーは、当時のフィアットグループの会長、ジョバンニ・アニェッリだった。